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魔法の王国コインランド 第四周 その11 乾燥でもエコエコ魔法?(1)


「あれ。もう終わられたんですか?」

「ミ、ミ!(確かに、早!)」

「いえいえ、まだ半分なんですよ。さっきの掲示に書かれてるように、途中で裏返すんです」

 そう言えば、20分くらいで止めて、よければ真ん中のロープも外して裏返してもう20分って書いてあった。

「そうでしたね。20分でロープを外してまた20分」

「ミ!ミ~?(覚えてた!さっきから別人?)」

 見ると、バケツ君と賢者様は先にグリーンコーナーへ向かっている。もう勇者は本当に免許皆伝?そう思わせるヤバイ雰囲気が出てきている…。

 マシロさんとマコさんは、一度敷布団を外に出して、ロープを外して裏返し、またドラムに入れ扉を閉め、再度スタートのボタンを押す。王妃様の乾燥が再開された。

「勇者様、また後で」

「タスカル君、またね~」

 軽く挨拶したマシロさんたちは、バケツ君たちが向かったグリーンコーナーへ歩いて行った。


「そう言えば、賢者様とバケツ君からこの王国のことをいろいろ聞かれましたか」

「そうです、そうです。国王陛下、もうホント親切に。この王国の思いやりワザと言いますか、大変感銘を受けました」

 相変わらず、大仰だけど、確かにちょっと泣けたりしたわね。

「エコエコ魔法もお聞きになられたと思いますが、ドライヤの魔法も関係してるんですよ」

「え?そうなんですか」

「ミ~、ミ~~?(エコエコ魔法は、洗濯のときだけじゃなかったんですか?)」

「これは、あまり知られていないんですが、ドライヤの魔法で生じた熱をうまく利用してエコにつなげる、ということなんです」

「熱をムダにしないということですね」

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