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魔法の王国コインランド 第四周 その16 そうだったのか(!!!!)


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「本当にごめんなさいね。王国の皆さんにはずいぶん酷なお願いをしてしまって。途中王子様がモチ肌とか口走ったりハラハラもしました。でも、こうしないと記憶をうまく持ち帰れないので」

「ミ~。ミ~?(そこなんですけど。最初の話に関係するんですか?)」

「そうですね。この魔法の王国コインランドでの記憶を是非あなたの世界に持ち帰ってもらいたかったんです」

「ミ~…。ミ~~(コインランドでの記憶…。向こうの世界ではコインランドリーというのがあります)」

「そうみたいですね。あなたのおばあ様が、どうしても天気を気にして出かけるのが億劫になるっていつも嘆いていらして」

「ミ~、ミ~。ミ~~~(そう言われれば、母も同じような感じです。どうしても毎日洗濯物のことを考えてるみたいで)」

 なんとなく分かってきた。どうやらマシロおばあさんは、うちのおばあちゃんのことを心配してくれてたみたい。


「記憶というのは、よほど刺激的なことで、しかも反復しないと、うまく定着してくれないの。それにやっかいなのは、この記憶。自分では引っ張り出せない特殊な形で定着させる必要がある。だから魔王退治の勇者というより刺激的な設定で、何度か魔法の王国に来てもらうことにしたの」

「ミ~(設定…ですか)」

 確かに、結局うやむやだった、わけだけど。

「そうです。でも、全部が設定というわけではありません。実際に魔法の王国コインランドで、私たちが助けられているのは事実ですから」

「ミ~。ミ~、ミ~。ミ~~(分かりました。突拍子もない設定であるほど、記憶に定着しやすい。記憶術の基本といういうことは聞いたことがあります)」

「最後はコロモガエルまで作って、ダメ押しも…」

「ミー。ミ~、ミー(ホントですよ。確かに強烈でした、緑の大ガエル)」

「それに、突拍子もないって言えば、あなたのジャンプ頭突き、あれ最高よ。おかげで記憶もバッチリだったし」

「ミ、ミ、ミ~(い、いやぁ、なんだかこっぱずかしい)」

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