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魔法の王国コインランド エピローグ その1


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「あれ、洗濯物は…」

 マリは、洗濯機の中を覗き込み、洗濯物を両手でつかむと少し持ち上げ触ってみた。

「なんだ、脱水終わってた。さっきガンゴンガンゴンいってなかったっけ~」

 腕時計を見ると、夜の1時を回っている。

「やばい、やばい。明日早いのに」

 マリはハンガーを取り出すと、洗濯物をとりあえず洗濯機の上のツッパリ棒にかけ、洗面台に向かった。

 ベッドに入って眠るマリ。額には、その印が暗闇に微かに光っていた。


「ただいま~。おばあちゃんも来てるんだ~」

 外に停めてあったおばあちゃんの車を見つけ、実家に帰ったマリが玄関から声をかける。

「マリ、おかえり」

 マリが玄関を入って台所に顔を出すと、テーブルに座って話していたおばあちゃんとお母さんが声をかけた。

「おばあちゃん、どうしたの?」

「もう、いつものアレよ。洗濯物が気になってなかなか出歩けないって、グチ」

 お母さんは、ヤレヤレという感じでマリに軽くうなずいた。

「だって、しょうがないじゃない。なかなか旅行にも行けないのよ」

「それはそうだけど。私だって、朝洗濯を終わらせて出かけたいのに、こんな雨じゃ」

 マリは、また始まったという感じで、二人の横を通ろうとすると…。

「ちょっと、待って、マリ。あんたの額に…」

「おばあちゃん。え?なにかついてる?」

「あんたも見てみな」

「え?なんなの?」

 おばあちゃんにうながされて、お母さんもマリの額をまじまじ見ている。


「アレよね」

「そう、アレね」

 二人はうなずくと、マリをそばに呼び寄せ、それぞれの杖を取り出すと、マリの額に向け呪文を唱え始めた。

「なに、なに、なに~、この展開」

 マリは自分が何かしでかしたのか、ドギマギしながらも、ジッと動かずにいた。とりあえず魔法の邪魔はしないというのが作法だから。

 なんとなく分からないまでも、何かが二人に読みだされている感覚。マリの頭は軽く回っている。

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