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魔法の王国コインランド 第四周 その10 王子たちの時短ワザって?(3)


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「とりあえずなので、乾かなければ、もう少しお願いすることもできますし、ね」

「今はじめて心から勇者様って感じ」

「もう、王子様、そんなこと~」

 ミッカ王子がつい本音という感じだけど、勇者はそれでもまんざらでもなさそうで…。

「もう、勇者様は十分な理解で、説明も要らないと思うけど、これが時短ワザ。ちょっと気が引けるけど、両陛下がお忙しいときには、こうやって王子様が分担して働かれるというのは、王子様たちにしても、ちょっと誇らしげなんじゃないかな」

 バケツ君が、ワタシを見ながらフォロー。確かに、両陛下がお忙しい時に役に立てるなら、王子様たちも悪い気がしないのかもしれない。


「じゃあちょっと時間があるので、グリーンコーナーへ戻りましょうか」

 勇者はそう言ってグリーンコーナーへ先導。というか、イッピ王子やフツカ王子の乾燥が次々に終わり、それを取りに来る住人の邪魔になりそう。なので、それが正解。なんだか、ホントに頼りになる勇者っぽい?

「おっと、国王陛下が終わられたみたいだ」

 先を行くバケツ君たちの頭越しに見ると、国王陛下の前のホワイトテーブルで、住人の方が畳み終わったものをしまい、グリーンコーナーの方へ歩いて行くところだった。

「勇者様、先ほどはせっかく来て頂いたのに…」

「いやいや、国王陛下。王子さまたちにスゴ技を教えて頂いたので、かえって助かりました」

「そうですか。王子たちが。それは、それは」

「ミ~(時短ワザですって)」

「そうですか。王子たちがお役に立ててよかったです」

 動いていらっしゃるはずの隣の王妃様が、急にお声をかけてきた。見ると、マシロさんが扉を開け、回転が止まっている。

「ああ、勇者様。王子様たちにお願いされたんですね。よかった」

 マシロさんが、勇者に気づいて話しかけた。マコさんも後ろで手を振っている。

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