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魔法の王国コインランド 第四周 その10 王子たちの時短ワザって?(2)


「提案…ですか?」

「そうそう。その位の量なら、二人に分けて入れてくれれば、早く終わるよ」

「ミ、ミ~(さっき、そう言ってた)」

「分ける?そうか、半分の量にして分けて入れれば、両陛下でなくても大丈夫か…」

「そうだね。できれば、乾きそうなのと、ちょっと厚くて乾きづらいのを分けて…」

 上からの方が言いやすいのか、ミッカ王子で説明してくれている。

「もう、王子様。さすがに分かりましたよ。フフン。じゃあ、ヨッカ王子、ムイカ王子、お願いします」

「ミ?ミ~?(え~?分かったの?)」

「さすが勇者様、どうぞ、どうぞ」

 勇者はヨッカ王子とムイカ王子のお腹を覗き、ホワイトテーブルにいたスプレー君をつかまえ、それぞれにスプレー。そして、ミッカ王子に促されるままに、ワゴンさんから洗濯物を取り出しながら、それぞれに分けて入れていく。


「ミ、ミ~…(お~、なんか手際がいい…)」

「タスカル君。お腹空いても我慢だからね」

 軽口を言いながらも手は動く。う~む、ジャンプ頭突きも、カックンもちょっとやれる感じじゃない。

「ということで、分けました。ヨッカ王子は乾きやすそうなものだから、200円。ムイカ王子はちょっと乾き難そうだから300円」

 勇者は、そう言いながら、それぞれのコイン投入口に入れ、ちゃんと下側のボタンを押して操作。

 ヨッカ王子、ムイカ王子は、ある意味ア然と無言のまま、お腹のドラムが回転を始めていた。

 一同無言。もちろん、ワタシも…。

「ホ~」

「いったい何が起こったの?という感じでしたけど…。お見事ですって」

「まあ、勇者なので。そうですよね。国王陛下に40分500円でお願いしようと思ってたので、とりあえず200円、300円で分けました。これなら20分と30分で終了ってことですね」

「ミ、ミ~。ミ…(そっか、確かに早い。これは時短…)」

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