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魔法の王国コインランド 第四周 その9 エリザベス殿下とキャサリン殿下への挨拶?


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「アレ~、ワゴンさん。先へ行っちゃった。両殿下、ひとまず失礼します。ではまた~」

 調子をこいていた勇者は、大慌てで国王陛下の方へ向かったワゴンさんの後を追いかける。

「じゃあボクたちも」

 そういうと、賢者様とバケツ君も、両殿下に挨拶し、その後を追っていった。


「タスカル君、どうですか。この王国にも慣れましたか」

 キャサリン殿下が親しげに話しかけてくれる。いつも以上になにかお優しい感じ。

「そうね、見るからに勇者様との息もピッタリみたいだし。うらやまし…くはないけど。ホッホッホ」

 エリザベス殿下は相変わらず。でも、軽口も親しみの顕れということはすごく伝わる。

「ミ~、ミ~。ミ~~~。ミ~、ミ~~。ミ~~~~(エリザベス殿下、キャサリン殿下。お二人にお会いできてほんとうによかったです。王国のみなさんは、それぞれ困っている人たちの力になろうといつも思われている。中でも万能なお二人のことはもっともっと教えて頂きたいことばかりです)」

 次々に、言葉が溢れてきた。セミの王でもなんでも、なってあげるわ。

「もう、タスカル君。泣かせるじゃないの。でも本当にこちらこそありがとう。では、元気でね」

「タスカル君。本当にありがとう。勇者様が待っているから、さあ早く…」

 キャサリン殿下の言葉に背中をというか、アライグマなのでお尻を押され、国王陛下の元へ歩き出す。

 なんなのこれ~。ここでも泣けるんですけど。


「オ~イ、タスカルく~ん」

「遅れてるじゃんじゃん」

 少し行くと、相変わらずの乾燥王子たち。ただ、3人のお腹はクルクル回っているので、いつもよりはおとなしい。この時期のせいなのか、なんなのか。

「おっと。勇者様は先に行ったけど、たぶん戻ってくるから」

 バケツ君と賢者様は乾燥王子たちの前に居て、なにか話していたようだけど…ワタシを見て急に話しかけてきた。

「ミ?…ミ~?(え?…どうして?)」

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