魔法の王国コインランド 第四周 その8 分かりやすくて「安心」って?
- 麻呂明弘
- 2021年8月25日
- 読了時間: 2分

「ミ~(それにおまかせ魔法)」
「そうそう。入れておけば、あとは乾燥まで全ておまかせ。これも手間なく安心ということだね」
「え~、なになに、どんどん進んでるんですけどぉ」
「じゃあ、悩まないってことで、他に何か気づいた?」
バケツ君の巻きは加速中…。
「ミ?ミ?(エ?他に?)」
「そんな~、万能な両殿下に対して悩むなんて失礼ですよ。なんちゃって~。でもぶっちゃけわかりません」
「そうですか。万能…。いい線いってたんだけど」
「そうそう。私たちくらいできちゃうとねぇ」
「もう、姉さん。でも、そうですね。できすぎるのも、ちょっとはしたないというか、下品というか」
「ミ~。ミ~、ミ~、ミ~~(それがヒント…。確かに洗えるし、乾燥できるし、もっと色々実際はおできになる)」
「出た。タスカルゼミ。それはアレですね。大物の洗濯、普通の洗濯乾燥全自動、この2つだから分かりやすくて安心、ということですね」
「ミ~。ミ~(なるほど~。完敗に乾杯)」
ついにワタシも壊れた。でも、すがすがしい。
「そう、そうなのよ」
「ついつい、乾燥だけ、とか、少量の洗濯だけ、とか色々やってあげたくなるんですけど…」
「やっぱり分かりにくいでしょ。色々ボタンがあって、それを見ながら悩まれるとちょっとね」
「そういうこと。できるからといって、なんでもやらない。分かりやすくて安心は、この両殿下の振る舞いにも表れているんだ」
「なるほど~。そうなんですか~」
勇者は自分で答えておいて、忘れたように感心している。こういうところは憎めないのよね。
「ホ~」
「それに、さっきの洗濯と乾燥だけど」
「ミ、ミー(そう、それそれ)」
「洗濯は中型と大型の2種類、乾燥も中型と大型の2種類。これも…」
「そっか、わかりやすくて安心ということですね。わかった?タスカル君」
「ミ~(ハイハイ)」
すがすがしいほどの調子の良さ…。だけど、いいのかな~。

























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