魔法の王国コインランド 第四周 その7 ワゴンさんも「安心」って?(2)
- 麻呂明弘
- 2021年8月24日
- 読了時間: 2分

「妖精のワゴンさんは4人いて、ホワイトテーブルの下が定位置。どこか別の国からやってきたみたいで、すごく堅牢なんだ。たぶん勇者様が乗っても大丈夫かも」
「え~、軽い私なんかじゃ比較にならないんだけどな~」
え~い、そう言いながらこっちをチラチラ見るんやない~。めんどくさ。
でもまぁ、調子に乗ってワゴンに乗って、とならないところは、ちょっと成長した?
「ミ~。ミ~~~(ほっといて。とにかくどれだけ多くても楽々載せられて安心てことね)」
「そうそう。前の人がなかなか取りに来なくて取り出すときも、ドサドサ載せて出せるから安心って言う人もいるみたいだし」
「もう、ワゴンさん、グッジョブ」
勇者は、やってきたワゴンさんに向かって親指を立ててウィンク。見てはならないものを見た感じで引き返すワゴンさん。それを両手でつかみ引き留める勇者。なんの茶番?
「そろそろ、いいかしら」
いつもはべスから聞こえそうなセリフが、キャスから。さすがに茶番が過ぎた?
「もう、ほんとタスカル君が、あれで。頼むよ」
「ミ~~~(なにをお頼まれになっていらっしゃるのでしょうか)」
呆れすぎて、言葉遣いが変な感じに。
「ホントすいません。ワゴンさん、さあさあ」
勇者はキャスを上目づかいでチラチラみながら、ドラムの中に手を伸ばし、両手で洗濯物を抱えては、キャスのお腹の下にピッタリと寄せて止まったワゴンさんに、ドサドサと入れていく。確かに、大きいし、水で重くなった洗濯物を入れても全く関係ない。表情はよくわからないけど、すました顔で口笛吹いていそうな感じ。セリフはそう「余裕ですが何か」とか。
「ミ~、ミ~(安心という意味では、もう両殿下はスーパーですよね)」
勇者の分を少し挽回してあげないと。
「そうそう。もう、おさらいという感じなので言ってしまうけど。ホワイトさんたちの倍の量を、同じ早さで洗ってしまう」
バケツ君もそろそろ巻きが入った?
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