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魔法の王国コインランド 第四周 その6 洗濯も「安心」って?(3)


「そうですね。ヨコ型の洗濯槽は、ほとんど目一杯上まで入れても大丈夫なので、たくさん洗えて安心、そうみなさんから言ってもらえますね」

 ジョンのうれしそうな声がフォローした。

「あとは…やっぱりエコエコ魔法、とか」

「ミ~(キーワードも来た~)」

「いいよ、いいよ。次々来るね」

「もう、私を誰だと思ってるんですか。勇者ですよ」

 調子には乗ってるが、ちょっとツッコミづらい。とりあえず覚えていて感心だし。

「で、エコエコ魔法だから?」

「もう、それはあれですよ。タスカル君言ってあげて」

「ミ~(久々の丸投げ技炸裂)」

「えっと、正解言われるとちょっとしゃくなので…。例えば早いとか?20分程度で洗ってもらえるのは助かります。これはアクアの魔法で水に洗浄力があるからすすぎが1回で済むからでしたね」

「ミ~。ミ~?(なんですとぉ。超覚醒モード?)」

「マーベラス。勇者様、ちょっと感動です」

 ジョンも、さすがの理解に感動したみたい。やっぱり相当怪しい勇者と思ってたってことね。わかる。


「それが早くて安心ということ。いいね。で~」

「もう、バケツ君欲しがるね~。もう、エコエコでしょ。すすぎが1回なんだから、水とかも少なくて済む。それに洗剤。水に洗浄力があるから洗剤も少ないし、その洗剤自体も自然由来のエコ。だから、排水も安心。で、安心だらけネコ灰だらけってね」

 その場の空気が凍りついたのが分かる。あの、勇者が…。超覚醒モードに入ったことは分かるけど。ここまでとは…。ちょっと涙が出てきたりして…。

「ホ~」

「う~ん。ちょっと言葉が見つからない。洗濯の安心は十分みたい」

「ミ、ミ~、ミ~(というか、こんなに安心だったって、ホントよく分かりました)」

「まあ、みなさん。私って勇者なので、そう恐縮なさらずに。はっはっは」

「ピ~」

 勇者の高笑いを戒め気味に、エリザベス殿下の終了の音が警告音よろしく響き、勇者はちょっとビクッとしている。グッドタイミング。

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