魔法の王国コインランド 第四周 その6 洗濯も「安心」って?(3)
- 麻呂明弘
- 2021年8月19日
- 読了時間: 2分

「そうですね。ヨコ型の洗濯槽は、ほとんど目一杯上まで入れても大丈夫なので、たくさん洗えて安心、そうみなさんから言ってもらえますね」
ジョンのうれしそうな声がフォローした。
「あとは…やっぱりエコエコ魔法、とか」
「ミ~(キーワードも来た~)」
「いいよ、いいよ。次々来るね」
「もう、私を誰だと思ってるんですか。勇者ですよ」
調子には乗ってるが、ちょっとツッコミづらい。とりあえず覚えていて感心だし。
「で、エコエコ魔法だから?」
「もう、それはあれですよ。タスカル君言ってあげて」
「ミ~(久々の丸投げ技炸裂)」
「えっと、正解言われるとちょっとしゃくなので…。例えば早いとか?20分程度で洗ってもらえるのは助かります。これはアクアの魔法で水に洗浄力があるからすすぎが1回で済むからでしたね」
「ミ~。ミ~?(なんですとぉ。超覚醒モード?)」
「マーベラス。勇者様、ちょっと感動です」
ジョンも、さすがの理解に感動したみたい。やっぱり相当怪しい勇者と思ってたってことね。わかる。
「それが早くて安心ということ。いいね。で~」
「もう、バケツ君欲しがるね~。もう、エコエコでしょ。すすぎが1回なんだから、水とかも少なくて済む。それに洗剤。水に洗浄力があるから洗剤も少ないし、その洗剤自体も自然由来のエコ。だから、排水も安心。で、安心だらけネコ灰だらけってね」
その場の空気が凍りついたのが分かる。あの、勇者が…。超覚醒モードに入ったことは分かるけど。ここまでとは…。ちょっと涙が出てきたりして…。
「ホ~」
「う~ん。ちょっと言葉が見つからない。洗濯の安心は十分みたい」
「ミ、ミ~、ミ~(というか、こんなに安心だったって、ホントよく分かりました)」
「まあ、みなさん。私って勇者なので、そう恐縮なさらずに。はっはっは」
「ピ~」
勇者の高笑いを戒め気味に、エリザベス殿下の終了の音が警告音よろしく響き、勇者はちょっとビクッとしている。グッドタイミング。
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