魔法の王国コインランド 第一周 その５ エコエコ魔法（２）

「そうですか。そういうことなら、まずは、両殿下にお会いになるとよろしいでしょう」

「殿下？ですか」

「そう、リズとキャスね」

「こら、ジェーン、まったく。そう、国王妹で、双子のエリザベス殿下とキャサリン殿下です」

「ミ～、ミ～（いきなりすごそうな方、来た～）」

「なんとなく畏れ多いですが」

「またまた、勇者様。とにかく私たちよりも、魔王アクテンコーに対抗する強力な魔法をお使いです」

「なにしろ、魔女だからね～」

「な、なんですとぉ」

　勇者でなくても、ちょっとビビる。

「で、そ、それはどちらに」

「うける～。隣にいるじゃない」

「うっ」

　緊迫した感じだが、この勇者、見上げてるとなんか笑える。

「ということで、リズにキャス、よろしく～」

「ミ、ミ～（さすがに、軽すぎ～）」

「ハイハイ。まったくジェーンときたら」

「な、なんと…」

　勇者が声の方をこわごわ振り向くと、大柄で、水色と緑色の模様がカラフルな姿が目に入った。

「さぁさぁ、いらっしゃ～い」

　ビビリに戻った勇者は、ワタシを抱き上げると両手に抱え、その声の主の前に差し出した。

「ど、どうぞ、ご自由に」

「ミ～（なにを～）」