魔法の王国コインランド 第一周 その6 謎の全自動洗濯乾燥白魔女(1)
- 麻呂明弘
- 2021年3月25日
- 読了時間: 2分

「お姉さま、そんなに怖がらせないで。さぁこちらへ」
「あら、私のどこが怖いって?この美貌のどこがぁ?」
「そ、それはもう、美しすぎて」
「ミ、ミ~~(勇者、ずっと目つむってるけどね)」
どうやら、ジェーンの隣でちょっと怖そうというか、天然?なのがお姉さん。その隣が妹みたい。
「さぁさぁ、勇者様。話は聞いていましたよ。ようこそタスカル君。私が妹のキャサリンで、姉がエリザベス。よろしくね」
「なんだ、そうですか。あなたがキャスでお姉さんがリズ。よろしく」
「ミ~!(距離縮めるの早や!)」
勇者はビビリだが半周回るのが秒速なので、一気になれなれしさ全開。ワタシを降ろすと二人に笑顔で会釈している。なんやこのオッサン。
「なんでもお二人は強力な魔法を使われるとか。それに~、ま、魔女という噂も」
「ミ、ミ~(噂って、今聞いた話ね)」
なれなれしくもビビリな言葉。もしやと思って勇者を見ると、まさにへっぴり腰。逃げる気満々。
「フフフ、そう魔女よ。カエルになりたい?」
「ゲッ、ゲコゲコ」
なけなしの勇気もあとわずか。勇者危うし。まったく。
「もう、お姉さま、やりすぎよ。ごめんなさいね。そう、私たちは白魔女、ホワイトウィッチなの」
「そう、王族なので上級がつくけど」
「じょ、上級…、と言いますと」
「ミ~~?(ホワイト兄妹よりもスゴイってこと?)」
「そうですね一応。倍の量も同じ20分で洗濯できます。値段も倍の800円ですけど」
「そうよ。ゴージャスなのよ」
「ゴゴゴゴ~ジャス!それに倍ですか!一カ月分とか」
「ミ、ミ~~(オジサン、そもそもそんなに溜めとけまへん)
もう、勇者と言う気もなくなってきた。

























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