魔法の王国コインランド 第四周 その5 王国の「安心」って?(2)
- 麻呂明弘
- 2021年8月16日
- 読了時間: 2分

「う~ん、グイグイ来るね。そう、視線を気にせず安心して休める。テーマの「安心」がわかってきた感じだね」
「天気の良い日はいったん外で用事を済ますことがほとんどなんだけど、風が強かったり天気の悪い時なんかは、こうやってゆっくり待てると、いいのよね」
「そう。おじいちゃんなんか、木製パズルがお気に入りで、ついつい待ちすぎたりしてる」
マシロさんとマコさんも、ここでくつろいでいることが多い感じ。それにしても、おじいさんは会ったことないけど。やっぱりうちのおじいちゃんみたいにアナログなのね。
「このグリーンコーナー以外にも、この王国全体でいろいろと「安心」なんだけど。わかる?」
「え?あぁ、ボーっとしてた」
「ミ~(安心しすぎや)」
「初めて来たときのことを思い出して…。洗濯とか乾燥とか。大きさとか使いやすさとか」
「ミ、ミ~(隊長、おそらくムリっぽいです)」
「初めて来たとき…、ホットさんにホッと安心とか…」
「ホ~」
「う~ん。確かにムリっぽい。わかった、じゃあ入口からスタート。マシロさんはちょっと待ってて」
「えっと、一緒にってことですね」
「ミ。ミ~(そうや。はよう行きなはれ)」
腰の重い勇者を追い立て、先に入口に向かったバケツ君と賢者の後を追った。
「まずは、入口に立って見ると…」
「見ると…」
「ミ~(だから進まないって)」
「そっか、この前のあれか。右見て左見て渡る…じゃなくて、分かりやすい」
「そうそう。待つ場所が別ってすぐわかる」
「確かに、待つ場所が別って分かるから視線のことも安心だし、どうやって待てばいいかも分かって安心だし」
「ミ~。ミ~?(やればできるじゃない。ゴメンちょっと上から?)」
「初めて来てもらった人にも安心してもらえるように。というのが、国王陛下のお考えなのさ」
「ほ、ほ~。違う、違う、これはマネじゃないからね」
勇者は、頭突き警戒モードでワタシを見ている。今回は、ま、そんな感じね。

























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