魔法の王国コインランド 第四周 その2 荒業?敷布団縛り(2)
- 麻呂明弘
- 2021年8月9日
- 読了時間: 2分

「ほぉ、なるほど。布団をたてに丸めて、備え付けロープで真ん中と両端3か所を縛る、布団をドラムへ這わせるように配置し洗濯する、ですか。綿やシルクは洗えない、と」
ロープは掲示されている張り紙の下に備え付けられていたみたい。
「ミ~…(両殿下がおとなしい…)」
この間、いつも話しかけてこられる、リズとキャス両殿下が黙って見てるだけって。なんか気になる。
「じゃあ先に入れてしまいますね。エリザベス殿下お願いします」
マシロさんはそういうと、簀巻き状態の布団を抱え、べスのドラムの中へ這わせるように配置。あとはタオルケットなどの他の洗濯物も隙間に詰め込んでいる。
「はいはい。今日は大物洗濯コースね。詰め込んでもらった方がやりがいMAXよ」
「ありがとうございます。ではお金を入れてっと」
マシロさんは、お腹の扉をカチッというまで閉めると、800円の大物洗濯コースのボタンを押し、硬貨を投入。流れるような熟練の手さばきね。
「こうやって入れる前のものを見ると、ずいぶん大きなものまで入るんですねぇ」
「そうそう。とても家では洗う気にならないものも、せっかくだからとついつい色々持ってくるんですけど。それでも、なんとなく入ってしまって助かってます」
確かに、タテに縛って丸めた敷布団はかなり大きかったし、他にも何点か入っている。とてもじゃないけど家庭用の洗濯機と比べる気にもならない…って感じ。
「そうか、ちょっと驚いてしまって。では、私たちはキャサリン殿下でお願いします」
「勇者様。お祭りなので、こちらも大物洗濯コースですね」
「はい、お願いします。ほんと今までは、このお祭りも大変でした。ハーレ、ルーヤと練り歩いてる間はいいんですが、そのあとの山のような洗濯物が、それはもう…」
「ミ~?ミー(いかにもやってますって?ほんまかいな)」
勇者は言ってる間、流れるようにとは言えないまでも、ちゃんと洗濯物を入れて扉を閉めてから、ボタンを押し、お金を入れる手順を踏んでいる。そう、洗濯物を入れる前にお金を入れ、動いてしまうと大変だからね。
このお祭りのことはわかったような不思議な感じだけど、実際毎年何回かある衣替えの時期は、天気を気にしながら、洗濯も一仕事なのは確か。それを気にしなくて済むなんてことになれば、お祭り気分にもなるってものかも。
リズとキャスは、仲良く20分の洗濯コースに入っていった。

























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