魔法の王国コインランド 第四周 その2 荒業?敷布団縛り(1)
- 麻呂明弘
- 2021年8月5日
- 読了時間: 2分

「今回はちょっと多いんだから、タスカル君はやっぱり降りて」
乗せられた袋はいつもより確かに大きい。衣替えの洗濯物がかなり入っているみたいね。
「ミ~、ミ~(ということは、リズかべスね)」
だんだん慣れてきた。衣替えで大量の洗濯ということは大型、確か27kgの容量のエリザベス殿下かキャサリン殿下にお願いするってこと。そうと決まれば早くお会いしにいこっと。袋から外へ飛び降りると、王国へ一直線。
「待ってよ~、重いんだから~」
もちろん、お手伝いできませんとも。アライグマなので。お先に~。
「ミ~(マシロ母さんにマコさん)」
「やっぱりまた会った~」
「おや、こんにちはタスカル君」
全自動両殿下の前に走ってくると、案の定というかお約束のように、マシロさんたちが先に来ていた。
う~ん、これはもはや偶然ではない?でも、こうやってマコさんは無邪気に絡んでくるし…。
「もう、タスカル君、早いって…。あれ、またお会いしましたね」
「勇者さんこんにちは」
「やっぱりお祭りで?」
勇者もマシロさんたちを見つけて挨拶。やれやれ、これで話が通じる。マシロさん、テーブルの上でなんか大きいものを縛り上げているみたいだけど…。
「そう、私たちは衣替えで。というか、マシロさん、なんか簀巻きに縛り上げてません?」
「ええ、ちょっとおじいちゃんを」
「って、ウソです、ウソです。もう、お母さん。やめて、コワいから」
案の定、勇者はビビリモードで一歩あとずさり。
「これは、敷き布団ですね。水洗いできるものは、こうやってタテに丸めて3か所を縛って洗うんです」
「そ、それは、マシロ家秘伝の荒業ですか?」
「もう、勇者様。ここに書いてありますよ」
マコさんが指さすところを見上げると、ちょっと陰になっていて気づかなかったが、確かにリョーさんのところへ向かう道の手前に掲示してあった。
Comments