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魔法の王国コインランド 第三周 その9 勇者のビビリセンサー発動



「あのぉ、ご歓談のところアレですが、そろそろお出ししないと、殿下が少々…」

 勇者のビビリセンサーが反応した?

「やっと気づいたみたいね。どうしてやろうかと思ってたけど」

「いやいやいや。すいません、すいません。偉大なる大白魔女の大殿下をお待たせしてしまい…」

「わかればいいのよ、早くね」

 なんとなく、エリザベス殿下がウィンクした感じ。ホント大大袈裟なヨイショ。勇者は急いで洗濯物を抱えて取り出すと、テーブルの上に置いていく。

「両殿下とも使われていたので、終わっていたエリザベス殿下の方を取り出そうかと考えていたんですよ」

「そうですか。それは失礼しました。そういえば、遅い場合は次の方がワゴンさんに取り出すように表示されていますね」

 勇者は、洗濯物を畳みながらマシロおばあさんに答えている。まぁ手伝いたいけど、アライグマなので。手伝いたいけど。


「どういうわけか、空いているときは両殿下とも空いているんですが。天候や曜日なんかの関係で、どうしても次々にということがあるみたいです。なので、こうやって取り出されるという注意を掲示されているようなんです」

「まぁそれだけ、両殿下の人気がすごいってことですね」

 勇者は、チラっと両殿下の方を見ながら、マシロさんに答えた。

「ミ~。ミ、ミ(そうまとめるか。さすがだよ、あんた)」

 ここまで徹底してヨイショするなら、いっそ清々しいぞ、勇者。


「ではマシロさん、マコさんも、これで失礼します。おかあさまにもよろしくお伝えください」

「ミ~(またね~)」

 勇者は畳み終わった洗濯物を袋に詰め終わると、二人に挨拶して出口に向かう。ということで、またです。魔人タイフー、いいんですね、もう。

 今回もやれやれ状態。HOTさんのお疲れ飲料でホッと一息し、また車にのると…ウトウトと…。

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