魔法の王国コインランド 第三周 その8 いつものマシロさん
- 麻呂明弘
- 2021年8月2日
- 読了時間: 2分

「とゆーことで、無事魔法の王国も免許皆伝ですね」
さっそく調子に乗る勇者。まったく。
「は、はあ。特に免許はないけど。あっても…」
「ホ~」
「まだまだじゃな、だって」
「また、また、また~」
賢者様は、バケツ君に言づてると、先にグリーンコーナーの奥へと飛び去って行った。
「ただ、ずいぶんお喜びだったみたい。ホ~の感じが」
「もう、賢者様ったら、照れ屋さん」
アライグマの耳でも、少し違いが感じられた…気もする。このお調子がなかったら、もっと褒めてもらえたかも。体質なので、まっ仕方ない。
「おっと、ちょうど終了の音だ。さすが賢者様。時間ピッタリ」
「ミ~、ミ~。ミ~(早く行かないと、べスがお待ちよ。バケツ君ありがとう)」
終わったらすぐ行くのが魔法の王国マナーらしいので、バケツ君に挨拶し先に駆けだす。勇者とマコさんも、バケツ君に挨拶し、早足でついてきた。
「ミ~(あれは)」
エリザベス殿下に近づくと、いつもの後ろ姿が。やっぱりか~。マシロおばあさん。出たがり?
「あら、タスカル君。それに、勇者様にマコまで」
「こんにちは、マシロさん。よくお会いしますね」
「おばあちゃん、今日はおまかせ魔法なの?」
「そうね。今日は踊りのお稽古だったから疲れちゃって、おまかせテヘペロ」
「ミ~?ミ~~…(こんなキャラだった?そういえばうちのおばあちゃんも…)」
「もう、おばあちゃん、自由ね」
「そうなのよ。自由ですけど、なにか」
「自由といえば、この前は旅行に行っていらしたようですね」
「あら、勇者様よく覚えてらっしゃって。もしかして私のこと…」
「もう、おばあちゃん、なに言っちゃってんの」
「だって、私あれだから。そう、自由か」
「ミ~(自分で言っちゃったよ)」
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