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魔法の王国コインランド 第三周 その7 王国の秘密(8)


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「ミ~~?(グリーンコーナーの座り方もあるんじゃない?)」

「おっと、それはポイントが高い」

「なになに、抜け駆け?」

「まぁまぁ、勇者様。グリーンコーナーでは、カウンターに座ると、左の洗濯や乾燥をされる場所を背にすることになって、視線がいかないようになっているということ」

「おっと、それを言うのかタスカル君。さすが鼻が利く」

 なんのホメ言葉だよ。意味がわからん。


「確かにそうね。おばあちゃんと座って待ってても、本当に気にならないから」

「でも、分かれて見えないと困ることもない?」

「そうか、見えないようにしているから、終わったかどうかや、洗濯物の様子が気になることもある」

「そのための、この仕切りなんですね。そうか~」

 マコさんが納得したように仕切りを見ている。言われないと、あまり意識しないけど、確かに左と右は背の低い仕切りで仕切られている。さらに上の方はガラスで見通せるようにもなっている。


「あ~、それだけじゃない、わかった~。これがコンパクトの極意だ~」

「ミ~~?(また勇者が覚醒モードに入った?)」

「おっと、これが勇者の咆哮か」

「もう、バケツ君、まかせてよ。コンパクトだから分かれていても、振り返れば見えるし、終わったときのあのピーピーも聞こえる。もちろん、洗濯から乾燥の距離もコンパクトだからだし。この魔法の王国が、王国というにはちょっと規模が、と思っていたけど。それは利用される住人の方のことを思って…」

「ホ~」

「賢者様も感動されてる」

「そっか、いつもこの王国に来るとなんかホッとする感じがしてたけど、そういうことか。よかった、勇者様とタスカル君とこの場に居られて」

「ミ、ミ~(おいおい、泣かせるじゃん)」

 って、勇者が本当に泣いてる。ま、そういうヤツか。

 今回は、相当に誘導されていたけど、実際勇者の覚醒モードで、この王国のコンパクトの秘密、だからこそ快適に過ごせる工夫がよく理解できた。ようやくいい仕事してくれたみたいね。てゆーか、上から目線、ゴメン勇者。

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