魔法の王国コインランド 第三周 その7 王国の秘密(5)
- 麻呂明弘
- 2021年7月26日
- 読了時間: 2分

「向かい合う?そうか、お見合いのような感じですね。確かにそれなら終わったら向かいの方に移せばいい…」
「え~、なんかそれってイメージしにくーい」
「そうだね。この場合は、使われているのかわかりにくい感じになるかな」
「そうですよね。言われてみれば、遠くからでも使われているのかどうか、今だとすぐにわかりますね」
「なので、それぞれの位置がうまく収まっているのが、この王国の快適な利用の秘密のひとつなんだ」
「ということは、まだあるんですね。バケツ君ったら」
「あ、そろそろ20分。みなさん、すいません。運動靴の洗濯が終わりそうなので、私ちょっとスニーカーさんのところへ行かないと。待たせるとドライさんが、いつもより熱くなってさあ大変、なので」
勇者は、ちょっとみっともないところを見られた感じで、少し恥ずかしそうにマコさんを見送っている。
ワタシはテーブルの縁に足を投げ出して座っているバケツ君の横に、ちょこんと座らせられた。なに、このかわいい絵柄。
「かわい~」
勇者はほっぺに両手をあて、お約束のリアクション。あ、り、が、と。
「ホ~」
「賢者様にはこのやり取りがご負担みたいなので、先に進んでいい?」
「ミ、ミ~(ごめんなさい、こんな勇者で)」
「ということで、いままでのことをまとめると」
「まとめると?」
「コンパクトで…」
バケツ君に促され、眉間にしわを寄せ、考える勇者。どこからかドラムの音が聞こえそうな間の後…
「使いやすい!」
「はい、正解」
なんとか正解に導かれたみたい。なんか力入った~。

























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