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魔法の王国コインランド 第三周 その7 王国の秘密(5)


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「向かい合う?そうか、お見合いのような感じですね。確かにそれなら終わったら向かいの方に移せばいい…」

「え~、なんかそれってイメージしにくーい」

「そうだね。この場合は、使われているのかわかりにくい感じになるかな」

「そうですよね。言われてみれば、遠くからでも使われているのかどうか、今だとすぐにわかりますね」

「なので、それぞれの位置がうまく収まっているのが、この王国の快適な利用の秘密のひとつなんだ」

「ということは、まだあるんですね。バケツ君ったら」


「あ、そろそろ20分。みなさん、すいません。運動靴の洗濯が終わりそうなので、私ちょっとスニーカーさんのところへ行かないと。待たせるとドライさんが、いつもより熱くなってさあ大変、なので」

 勇者は、ちょっとみっともないところを見られた感じで、少し恥ずかしそうにマコさんを見送っている。

 ワタシはテーブルの縁に足を投げ出して座っているバケツ君の横に、ちょこんと座らせられた。なに、このかわいい絵柄。

「かわい~」

 勇者はほっぺに両手をあて、お約束のリアクション。あ、り、が、と。


「ホ~」

「賢者様にはこのやり取りがご負担みたいなので、先に進んでいい?」

「ミ、ミ~(ごめんなさい、こんな勇者で)」

「ということで、いままでのことをまとめると」

「まとめると?」

「コンパクトで…」

 バケツ君に促され、眉間にしわを寄せ、考える勇者。どこからかドラムの音が聞こえそうな間の後…

「使いやすい!」

「はい、正解」

 なんとか正解に導かれたみたい。なんか力入った~。

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