魔法の王国コインランド 第三周 その7 王国の秘密(4)
- 麻呂明弘
- 2021年7月22日
- 読了時間: 2分

「その通り。テーブルの配置ということが、この王国で快適に過ごして頂く工夫のひとつ」
「ということは、まだある、ということですね」
勇者のうれしそうな顔が、相変わらず頭突きをうずかせる。
「それは、もう少し広く見て頂く必要があるみたい」
「ホ~」
賢者様は、羽を広げて飛び立つと、ホワイト兄妹から両殿下そして王子様と回ってまたテーブルの上に舞い降りた。
「だって」
「そりゃ、ないよ、バケツ君」
「ははは。そりゃないかな。では、賢者様はすぐに戻ってきた感じではなかった?」
「そうね、なんか早かった」
「ミ~(早いということは動線が短い)」
「そうそう。これも距離の問題。位置の問題でもあるけど」
「距離ですか。位置も。う~ん」
勇者がニコニコし出している。フリーズ近し…。
「洗濯したものを、次に乾燥した?」
「そうですね。前回ジェーンにお願いしたものを、イッピ王子に乾燥をお願いしました。そうか、その間がすぐだった。ワゴンさんに運んでもらったけど」
「それが距離と位置。洗濯から乾燥はどうしても洗濯物を運ばないといけない。その時間をなるべく短くする方が快適だよね。なので、洗濯をされるホワイトさんや両殿下は、乾燥をされる王子様や両陛下に対して90°の位置におられる」
「お~、そうか。横にまっすぐ並ばれていると、ずいぶんと長く歩かないといけないかもです」
「もちろん、向かい合って位置されればもっと近くなるけど、この場合は別の問題もあるから」

























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