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魔法の王国コインランド 第三周 その7 王国の秘密(1)


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「ミ、ミ~(あれは確か、妖精のバケツ君)」

「なんだあ。オケツ…いや、バケツ君?妖精の。お久しぶり~」

「あれ?ホワイトテーブルにも降りてきた。こんにちは賢者様」

「ホ~」

 勇者とマコさんは、それぞれバケツ君と賢者福朗さんに挨拶しているみたい。ここからじゃあ賢者様は見えないけど。


「え~、今日はどうして?いつもはグリーンコーナーでお話ししてるのに」

 マコさんは、しゃがみこむと、ヒザを抱えてバケツ君に話しかけた。賢者とは直接話しができないから、どうやらバケツ君がマコさんの話し相手になってるみたい。

「え~っと、ちょっと話が遠いので、テーブルにお願い」

 20cmくらいのバケツ君は、首もない。見上げるのは確かに大変そう。


「あ、そうか、わかった。タスカル君も、ね」

 マコさんはそう言うと、バケツ君をテーブルに腰掛けさせ、ワタシをまた抱き上げた。

「ホ~」

「ありがとう」

「いえいえ、で、今日はどうして」

「それが、賢者様が何かここで…というか、勇者様とタスカル君にこの王国の秘密を、どうしても伝えたいようなので」

「な、なんですと。王国の秘密。そ、それは、ヤバイネタ、ってことですか、旦那」

「ミ~(どこの旦那だよ)」

 勇者の軽口炸裂で、なにやらまずい雰囲気が…。

「ホ~」

「やっぱりやめるみたい」

「え~、すいません、すいません。もう、この口が」

「ミー、ミ~(許してください、病気なので)」

「ホ~」

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