魔法の王国コインランド 第三周 その6 謎の職人スニーカーさん(1)
- 麻呂明弘
- 2021年7月12日
- 読了時間: 2分

「明日は、弟の運動会もあるしね」
「ミ、ミー(運動会、あるんだ)」
「そうね。運動着とかも、たまっていたものを洗っておかないと。これから帰ってお弁当の用意とかも」
「そうか、一応明日はようやく天気も回復するって感じかもしれませんしね」
「とにかく、準備はしておかないと。じゃあすいません、キャサリン殿下大丈夫ですか」
「あぁ、マシロさん。話はお聞きしていました。おまかせ魔法ですね」
マシロさんは、キャスのお腹の中をチェックすると、勇者がつかんでいるスプレー君を受取ってスプレー。そして洗濯物を入れ、コインを投入。流れるような手さばきが、テキパキしたうちのお母さんそのもの。なんか、なつかしい。
「勇者様は、これからどうされますか」
「あ、いや、その」
あまりの手さばきに見とれていた勇者は、向き直ったマシロさんに突然聞かれドギマギ。
「これから、運動靴を洗うために、スニーカーさんのところへ行きます。ご一緒にいかがですか」
「え?そんな方がいらっしゃるんですか」
「ミ~…(そう言えばリョーさんの手前に…)」
言われてみれば、以前両替えに行ったとき、細い道の左になんとなくそんな感じが。
「やっぱりご存じなかったんですか。頼りになる職人の方なので、一度お会いになってください」
「おぉ、それは助かります。ご親切に」
「アライグマさんは、ワタシが抱っこ」
「ミ、ミ~(なんか、ちょっとめんどくさ…)」
仕方なくマコさんに抱かれながら、キャスの前を通りマシロさんの後をついて細い道へ。これはリョーさんへの道。やっぱり、あそこか。
「スニーカーさん。よろしく。こちらは勇者様と…」
「タスカル君ね」
マシロさんとマコさんは、スニーカーさんと呼ばれた、こじんまりした感じのベージュの職人?に紹介してくれた。下は四角くて、家の洗濯機という感じ。上は大きなガラスが目立つ扉の、上下に合体した感じの姿。王子様とはちょっと違う感じの合体ね。

























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