魔法の王国コインランド 第三周 その４ 水も洗剤も…エコエコ魔法って（１）

「今日は準備しておいたから。千円分を入れてっと。おお…」

　勇者はポケットの中をチェックしてから洗濯物を入れると、千円分のコインを投入。すると、コインのカウントが減っていって、全てを飲みこむと、ガタンという音に続き、べスのドラムが動き出した。

　続いて注水される音も。確かに、洗濯物を入れてお金を入れるだけで動く。これは素早い。

「そういえば、今入っていっている水がアクアの魔法によるものなのは、お聞きですよね」

「そうです、そうです。国王陛下から魔法使いの方はみなさんその魔法を使われるとお聞きしています」

「ミ～、ミ～～（ホワイトさんたちも、水の粒子を小さくして洗浄力を高めてるって言ってた）」

「そうですか。それでエコエコ魔法もジョンさんたちからお聞きですね」

「おまかせください。水も少なくてエコ、洗剤やあと…重犯罪もエコで、エコエコ魔法…です。ン？」

「ミ～（惜しいけど全然ちゃう）」

「おやおや、大変だ。柔軟剤ですね。というか私たちは最後に入れるので仕上剤と呼んでいます」

「え？そうか重犯罪だって。タスカル君やばいよやばいよ。ぬははは」

「ミ～（先へお願いします）」

　相手にしていられない。

「そうですね。その通りなんですが、このエコエコ魔法はこの王国にとって本当に大切な魔法なんです」

「そうなんですか」

「まずは水を大切にということですね。すすぎが1回ということは、約１／３の節水につながります」

「なるほど。さすがに半分ではないけれど、それでも毎日何回もなら、確かに大きい」

「他になんだと思われますか」

「あとは洗剤ですよね。天然由来という」

「確かに、ヤシの実洗剤とクエン酸仕上剤、なのでエコです。そのため、お肌が敏感な方にも安心です。でもそうなると…」

「そうなると？」

「ミー、ミ～（そうなると、それが溶けた水も…）」

「そうそう。排水がどうですか」