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魔法の王国コインランド 第二周 その20 ホットさんにころがされ(3)


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「あとは何かいかがですか」

「そう言えば、この前とは少し違っている感じですね」

「そうなんです。寒い時には温かいものをご用意していますし、あまりご利用頂かないものは、別のものと入れ替えたり。季節やご利用を考えてご用意させて頂いています」

「そうか。そこまできめ細かく。もう、ホットさ~ん」


 勇者は、アルコールがないはずなのに、酔っ払い風にホットさんに抱きついている。

 それにしても、これだけ勇者をころがすというのは、ちょっとどうかと思うけど、最大限のおもてなしをしようとするベースがあってのこと。一仕事終わった感じでいたけれど、これはこれでまた一仕事というか、いい勉強になった感じ。


「ミ~(そろそろ暗くなるから)」

「勇者様。お時間はよろしいですか」

「あれ、なんか暗くなってきた。だいぶ飲み過ぎたみたいだし…。タスカル君は…」

 思い出したようにワタシを探している勇者の足を、前足で叩くと、飲み終わったカラの入れ物を渡す。

「勇者様。それはこちらでお預かりします」

「へ?」

 勇者は、HOTさんに言われるまま、隣の、いわゆる回収ボックスにカラの入れ物を入れた。

「ご親切にどうも~」

 周りからはどう見ても酔っ払い、という感じね。アルコールなしで…。安上がりか。


「ハイハイ。じゃあ帰りますか」

「ミ、ミ~(なんか、イロイロあった~)」

 ホットさんに挨拶をして、少し小雨の混じる中を、洗濯物を濡らさないように、勇者と一緒に小走りで車に戻った。で、2回目の冒険?も無事終了?。妖魔バイウは知らんけど。

 それにしても、なんだろうこれは。またも車の中に入ると、ついウトウト…と…。

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