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魔法の王国コインランド 第一周 その4 謎の洗濯魔法使い(1)


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「ミ~~(ワタシはアライグマ~)」

 四足で走っていては、開き直るしかない。ただなんとなく解き放たれた気分は意外にアリか、いやいや。それにしてもアライグマのこの嗅覚。水のニオイに反応しているようだ。

 相変わらず目の前はボ~ッとしているが、少し駆けると正面に銀色に輝く姿が現れた。丸いフタらしきものが横に開いている。

 近づいて、フタの奥を見るため、後ろ足で立ち上がり、そっか後ろ足かぁ、丸い形のヘリに前足をひっかけて中を覗き込む。

 中は少し濡れていて、無数の穴が開いている。これは、見覚えがある。確か…。


「ハァハァハァ。もう待ってよ」

 荒い息で、なんとか勇者が追いついてきた。すると…

「すいません。恥ずかしいので、あまりお兄ちゃんのお腹でクンクンしないでください」

「タスカル君、ちょっと何してんの。なんかすいません」

「ミ、ミ~(え、どうなってるの~)」

「ホラホラ、お兄ちゃんも起きて、起きて」

 声はどうやら、隣の機械?から聞こえてくる。お兄ちゃん?話しかけられた?何が何に?何~?

「おっと、お腹はキレイでしょ。ステンレスなのでカビとかつきませんから」

「もう、お兄ちゃん。いきなりアピール?」

「はじめまして。私は勇者テンチョーと申します。失礼ですが、お二人はご兄妹ですか?」

 ビビリ勇者だが、なんだか少し頼もしい。まだ手をヒザに置いて、ハァハァ言ってるが。

「そうですか。勇者様。私たちはホワイト。隣は妹のジェーン。私はジョン。魔法使いです」

「ミー!(いきなり魔法使い来たー)」

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