魔法の王国コインランド 第一周 その4 謎の洗濯魔法使い(1)
- 麻呂明弘
- 2021年3月18日
- 読了時間: 2分

「ミ~~(ワタシはアライグマ~)」
四足で走っていては、開き直るしかない。ただなんとなく解き放たれた気分は意外にアリか、いやいや。それにしてもアライグマのこの嗅覚。水のニオイに反応しているようだ。
相変わらず目の前はボ~ッとしているが、少し駆けると正面に銀色に輝く姿が現れた。丸いフタらしきものが横に開いている。
近づいて、フタの奥を見るため、後ろ足で立ち上がり、そっか後ろ足かぁ、丸い形のヘリに前足をひっかけて中を覗き込む。
中は少し濡れていて、無数の穴が開いている。これは、見覚えがある。確か…。
「ハァハァハァ。もう待ってよ」
荒い息で、なんとか勇者が追いついてきた。すると…
「すいません。恥ずかしいので、あまりお兄ちゃんのお腹でクンクンしないでください」
「タスカル君、ちょっと何してんの。なんかすいません」
「ミ、ミ~(え、どうなってるの~)」
「ホラホラ、お兄ちゃんも起きて、起きて」
声はどうやら、隣の機械?から聞こえてくる。お兄ちゃん?話しかけられた?何が何に?何~?
「おっと、お腹はキレイでしょ。ステンレスなのでカビとかつきませんから」
「もう、お兄ちゃん。いきなりアピール?」
「はじめまして。私は勇者テンチョーと申します。失礼ですが、お二人はご兄妹ですか?」
ビビリ勇者だが、なんだか少し頼もしい。まだ手をヒザに置いて、ハァハァ言ってるが。
「そうですか。勇者様。私たちはホワイト。隣は妹のジェーン。私はジョン。魔法使いです」
「ミー!(いきなり魔法使い来たー)」

























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