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魔法の王国コインランド 第二周 その20 ホットさんにころがされ(2)


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「はっはっは。まぁまぁ、こうやって飲みながらなごやかに過ごされるのは、楽しいです」

「そうですか。でもよく見ると、色んな種類があるんですね」

「そうなんです。36種類ありますので、いろんなご気分に合わせて楽しんで頂けます」

 確かに、こちらの貨幣価値はどうかわからないけど、半分近くが100円で、勇者が驚いているからこっちでも安いみたい。それに、ざっと見ても同じものがない。よく見る自販機は、たいてい2~3本同じものが入っている…。

「ミ~~(同じ種類がなくて全部別なんですね)」

「さすがタスカル君、そうなんです。限られたスペースなので、できるだけいろんなものを楽しんで頂きたいと思っているんです」


「じゃあ次は、ちょっとマイルドにメロンソーダかな。えい」

「さすがお目が高い。これはここでしかお求めになれないものなんです」

 どうやら、自販機限定商品というものらしいわね。

「アレアレ、なんか番号が揃ったみたい」

 店長は表示された番号を見て興奮している。

「おっと、これはおめでたい。大当たりです。もう1本どうぞ」

「そうなんですか~。じゃあタスカル君に、ふってふってゼリーっと」

「ミー(おいおい)」

「じゃあ、これ。はいはい、ふってふってふって~、もっとふって~」

 勇者からゼリーを渡されると、ついついふってしまった。まぁなんとなく楽しいからいいけど。


「いやもう、勇者様のこの引きの強さ。勇者かくあるべし、という感じ、感服しました」

「え~、そうですか~よく言われるんです。勇者が服を着て歩いてるって」

「ミ~~(漂白しすぎた防具を着てるけどね)」

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