魔法の王国コインランド 第二周 その20 ホットさんにころがされ(2)
- 麻呂明弘
- 2021年6月24日
- 読了時間: 2分

「はっはっは。まぁまぁ、こうやって飲みながらなごやかに過ごされるのは、楽しいです」
「そうですか。でもよく見ると、色んな種類があるんですね」
「そうなんです。36種類ありますので、いろんなご気分に合わせて楽しんで頂けます」
確かに、こちらの貨幣価値はどうかわからないけど、半分近くが100円で、勇者が驚いているからこっちでも安いみたい。それに、ざっと見ても同じものがない。よく見る自販機は、たいてい2~3本同じものが入っている…。
「ミ~~(同じ種類がなくて全部別なんですね)」
「さすがタスカル君、そうなんです。限られたスペースなので、できるだけいろんなものを楽しんで頂きたいと思っているんです」
「じゃあ次は、ちょっとマイルドにメロンソーダかな。えい」
「さすがお目が高い。これはここでしかお求めになれないものなんです」
どうやら、自販機限定商品というものらしいわね。
「アレアレ、なんか番号が揃ったみたい」
店長は表示された番号を見て興奮している。
「おっと、これはおめでたい。大当たりです。もう1本どうぞ」
「そうなんですか~。じゃあタスカル君に、ふってふってゼリーっと」
「ミー(おいおい)」
「じゃあ、これ。はいはい、ふってふってふって~、もっとふって~」
勇者からゼリーを渡されると、ついついふってしまった。まぁなんとなく楽しいからいいけど。
「いやもう、勇者様のこの引きの強さ。勇者かくあるべし、という感じ、感服しました」
「え~、そうですか~よく言われるんです。勇者が服を着て歩いてるって」
「ミ~~(漂白しすぎた防具を着てるけどね)」

























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