魔法の王国コインランド 第二周 その16 頼もしい金庫番(2)
- 麻呂明弘
- 2021年6月15日
- 読了時間: 2分

「こうやって返金するだけではなくて、遠隔でお金を融通することもできるんです」
「ミ~?(それはいったい?)」
「例えば、王子様のドライヤの魔法がうまく働かず、まったく乾かないような場合、王子様へ私が遠隔でお金を投入して、もう一度乾燥をやり直してもらう。なんてことも可能なんです」
「ミ~(いわゆる遠隔操作!)」
「まぁ、そうですね。それがホワイトさんや両殿下また両陛下でも可能なので、もし勇者様がまたお困りのようなことがあれば、ご相談ください」
「ミー、ミ~、ミー(それはそれは、いろいろやらかしそうなので、助かります)」
リョーさんは、両替だけでなく、魔法のアイテム販売だけでなく、返金や遠隔操作的なことまでも可能な金庫番だった。ムチャクチャ優秀じゃない。どこかのリョーさんとはちょっと違ったりして。
「ミ…(あれは…)」
リョーさんに挨拶して王子の元へ戻る途中、見たことのある2人が前を歩いていた。
「あれ、アライグマさん?」
「おや、この前のタスカル君?でしたっけ」
振り返ってワタシを見つけたマコさんが声をかけ、遅れてマシロさんも声をかけてきた。
「ミ~(こんにちは)」
挨拶したものの、通じないので、二人の前に出て王子の元へと急いだ。
「あぁマシロさん?でしたっけ」
「勇者様、お久しぶりです」
「こんにちは~」
とりあえず、勇者につなげば、なんとかなるか。
「今日も両陛下のところへ?」
「いえ。ちょっと旅でたまった洗濯物を、キャサリン殿下にお願いしてきました」
「そう、今日はおばあちゃん疲れちゃって、おまかせ魔法なんだって」
「なるほど。乾燥だけのときも、全部お任せのときも。頼りにされてるんですね」
それにしても、この前も今日も、マシロさんたちとはよく会う。これって偶然?それとも…。

























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