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魔法の王国コインランド 第二周 その16 頼もしい金庫番(2)


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「こうやって返金するだけではなくて、遠隔でお金を融通することもできるんです」

「ミ~?(それはいったい?)」

「例えば、王子様のドライヤの魔法がうまく働かず、まったく乾かないような場合、王子様へ私が遠隔でお金を投入して、もう一度乾燥をやり直してもらう。なんてことも可能なんです」

「ミ~(いわゆる遠隔操作!)」

「まぁ、そうですね。それがホワイトさんや両殿下また両陛下でも可能なので、もし勇者様がまたお困りのようなことがあれば、ご相談ください」

「ミー、ミ~、ミー(それはそれは、いろいろやらかしそうなので、助かります)」

 リョーさんは、両替だけでなく、魔法のアイテム販売だけでなく、返金や遠隔操作的なことまでも可能な金庫番だった。ムチャクチャ優秀じゃない。どこかのリョーさんとはちょっと違ったりして。

「ミ…(あれは…)」

 リョーさんに挨拶して王子の元へ戻る途中、見たことのある2人が前を歩いていた。

「あれ、アライグマさん?」

「おや、この前のタスカル君?でしたっけ」

 振り返ってワタシを見つけたマコさんが声をかけ、遅れてマシロさんも声をかけてきた。

「ミ~(こんにちは)」

 挨拶したものの、通じないので、二人の前に出て王子の元へと急いだ。

「あぁマシロさん?でしたっけ」

「勇者様、お久しぶりです」

「こんにちは~」

 とりあえず、勇者につなげば、なんとかなるか。


「今日も両陛下のところへ?」

「いえ。ちょっと旅でたまった洗濯物を、キャサリン殿下にお願いしてきました」

「そう、今日はおばあちゃん疲れちゃって、おまかせ魔法なんだって」

「なるほど。乾燥だけのときも、全部お任せのときも。頼りにされてるんですね」

 それにしても、この前も今日も、マシロさんたちとはよく会う。これって偶然?それとも…。

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