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魔法の王国コインランド 第二周 その17 妖魔バイウVSドライヤの魔法



「もちろんですとも。それに今はこのジトジトジメジメでしょ。洗濯物が乾かなくって」

「へ?ジトジト…。そうか、ジトジト妖魔バイウ、倒すんだった」

「ミ~(思い出すの遅っ)」

「え?妖魔バイウ?」

 マコさんは怪訝な顔で勇者を見ている。

「さすが勇者様はご存じなのですね、このジトジトジメジメの正体を」

 マシロさんは、真顔。どうやら昔からの言い伝え的な話のようね。

「そう、妖魔バイウ。この時期になると魔王アクテンコーの機嫌をとろうと、やたらに頑張るヤツなんです」

「そう昔から言い伝えられていましたけど、この魔法の王国を知ってからあまり気にならなくなりました」

「そうなんですか?」

「なにしろ、ドライヤの魔法があれば、いくら妖魔が頑張っても気にならないですから。はい、ご苦労さん、的な感じですね」

「やっぱりそうか~。ドライヤの魔法。火を司る王国の魔法なら妖魔は倒せる」

 確かに、倒せるってゆーのはどうするかわからないけど、王子様や両陛下ならば、こんな時期でも乾かないとかの心配はまるでないわね。


「以前なら、この妖魔が暴れている時期は、カビやダニなどが心配でしたが、最近はまるで気にならなくなったんですよ」

「とゆーのは?」

「お日様がなくても、関係なく乾いてくれるのでカビの心配もありませんし、ダニはお日様でも陰に隠れて退治しにくいですが、それも高温でやっつけ熱風で追い出すという形で心配もないですからね」

「ミ~、ミ~(やっぱりこの口調、なんだかおばあちゃん)」

「そうですか~、ドライヤの魔法はとにかく妖魔バイウにはまさに天敵なんですね」

「そうですよ~。あら王子様ごきげんよう」

 いつのまにか、王子様のところへ着いていたみたい。

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