魔法の王国コインランド 第二周 その16 頼もしい金庫番(1)
- 麻呂明弘
- 2021年6月14日
- 読了時間: 2分

「じゃあ、返金だね」
「え、返金っていうと、お金が戻るってことですか」
「ミ、ミ~。ミ~(まあ、そういうことね。返金だから)」
「そう、ボクたちの替わりに、リョーさんが返してくれるよ」
「そうなんですか。じゃあ急いで聞いてみます」
それにしても、案の定、調子に乗ってるときの、この展開。わかりやすいといえばそうなんだけど。
勇者は例の細い道に向かっている。仕方ない、ついていきますか。
「リョーさん様~」
「おっと、どうされました。確か勇者様、あ、え~っと、そうか王子のところでお間違えですね」
どうやら、リョーさんは誰かと交信しているみたい。
「王子様の確認がとれました。では、これから返金します。よろしいですか」
「よ、よろしい、というか、よろしくお願いします」
その言葉が終わると同時に、例の両替のコインを取り出した場所に、チャリン、チャリンと一枚ずつコインが落ちてくる音が聞こえてきた。
「お~、こうやって」
「では、400円。ご確認ください」
「ミ~ミ~(なるほど~返金してもらえる」
もちろん、間違えないほうがいいけど、間違えても返金してもらえるなら安心かも。
「確かにあります。ありがとうございます」
「いえいえ。王子様は上下で別のボタンのようですから、お気をつけて」
「恐縮です」
確かに恐縮した感じでペコリと会釈をし、勇者は王子の元に急いで戻っていった。
「実はここだけの話ですが…」
遅れて勇者の後を追おうとしたとき、リョーさんが話しかけてきた。

























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