魔法の王国コインランド 第二周 その8 いきなり洗濯が始まった
- 麻呂明弘
- 2021年5月27日
- 読了時間: 2分

「はっはっは、勇者様。真ん中をエイって、何のボタンですか?」
「だいたい、こういう時は真ん中が無難かなって」
「ミ~(さすがのビビリ理論)」
ジョンもさすがに少し呆れた感じ。確かに、何のボタンを押したんだか。
「これは温度設定のボタンです。高温、ぬるま湯、水の3種類から選ぶことができます」
「ミ~(じゃあ真ん中はぬるま湯)」
「そっか、いいんですよね。てゆーか、いいんですか?」
「ミー?(いまさら?)」
「普通はそこで手が止まるから説明しようとしたんですが、さすがのジェーンもいきなりだったみたいです。その潔さ、さすが勇者様です。はっはっは」
「いや~それほどでも」
「ミ、ミ~(だから、ほめてないから)」
「すいません。ちゃんとご説明しておけばよかったです。お湯は60℃なので、菌にも有効ですし、汚れにも。ただ、デリケートな衣類などの場合は、低い温度の方がいいのもあります」
「では、ぬるま湯というのは」
「そうですね、半分が水ということになります。この場合温度は低くなりますが、沸かすお湯の量が減るので洗濯時間が少し短くなります」
「ミ、ミー、ミ~(そうか、水は沸かさないから、一番時間が早くなる)」
「そうです。水の場合が時間的には一番早く終わります」
「えっと、表示は19分ということですね」
「そうです。でも、注水時間は含まれていないので、温度によってその分1~2分余計にみておいてください」
「ミ、ミ~~(そっか、温度によって注水時間は変わるから)」
暑いときや寒いときもあるし、水の温度も一定じゃないから、注水時間も一定じゃない。確かに、残り表示に入れるのは難しいかも。
それにしても、次々に繰り出される情報に、勇者は…。言わずもがなね。フリーズ中。こういう時は大抵ニコニコしてる。なんとなく勇者の相棒っぽくなってきた、ワタシ。

























コメント