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魔法の王国コインランド 第二周 その8 いきなり洗濯が始まった


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「はっはっは、勇者様。真ん中をエイって、何のボタンですか?」

「だいたい、こういう時は真ん中が無難かなって」

「ミ~(さすがのビビリ理論)」

 ジョンもさすがに少し呆れた感じ。確かに、何のボタンを押したんだか。

「これは温度設定のボタンです。高温、ぬるま湯、水の3種類から選ぶことができます」

「ミ~(じゃあ真ん中はぬるま湯)」

「そっか、いいんですよね。てゆーか、いいんですか?」

「ミー?(いまさら?)」

「普通はそこで手が止まるから説明しようとしたんですが、さすがのジェーンもいきなりだったみたいです。その潔さ、さすが勇者様です。はっはっは」

「いや~それほどでも」

「ミ、ミ~(だから、ほめてないから)」


「すいません。ちゃんとご説明しておけばよかったです。お湯は60℃なので、菌にも有効ですし、汚れにも。ただ、デリケートな衣類などの場合は、低い温度の方がいいのもあります」

「では、ぬるま湯というのは」

「そうですね、半分が水ということになります。この場合温度は低くなりますが、沸かすお湯の量が減るので洗濯時間が少し短くなります」

「ミ、ミー、ミ~(そうか、水は沸かさないから、一番時間が早くなる)」

「そうです。水の場合が時間的には一番早く終わります」

「えっと、表示は19分ということですね」

「そうです。でも、注水時間は含まれていないので、温度によってその分1~2分余計にみておいてください」

「ミ、ミ~~(そっか、温度によって注水時間は変わるから)」

 暑いときや寒いときもあるし、水の温度も一定じゃないから、注水時間も一定じゃない。確かに、残り表示に入れるのは難しいかも。

 それにしても、次々に繰り出される情報に、勇者は…。言わずもがなね。フリーズ中。こういう時は大抵ニコニコしてる。なんとなく勇者の相棒っぽくなってきた、ワタシ。

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