魔法の王国コインランド 第二周 その7 魔法の?漂白剤
- 麻呂明弘
- 2021年5月26日
- 読了時間: 2分

「えっと、茶番はもういい?それと、リョーさんから何かきいてこなかった?」
軽口のジェーンが、珍しくマジメに。一応仕事はきっちりやるタイプみたい。少し安心したりして。
「ミ、ミー(あれだ、魔法のアイテム)」
「え、何?痛っ、そうか、あれか。魔法の特製漂白剤」
勇者はジャンプ頭突きの刺激で、ようやくさっきの会話を思い出したらしい。
「そうですね。特製というかこの王国の技術でつくられた酸素系漂白剤で、除菌や殺菌、また消臭にも効果があります。気になる洗濯物があれば是非お使いください」
「使う時は、動き始めてから、ワタシの頭の上をパカッと開けて入れるのよ」
「パカッと、ですか」
勇者の背中を駆け上って見てみると、確かにジェーンの頭の上に、パカッと開きそうな部分が見えた。これは、一度動いて水が入ったタイミングで入れる仕組みみたい。
「なるほど。漂白剤といっても、漂白するだけでなくて、色んな効果があるわけですね」
「そうなの。今回はどうする?」
「ありがとう。でも、今回洗うのは大丈夫なので、このままでお願いします」
「なんだ、せっかくパカッとやって頭の中見せたかったのに」
「確かに、頭の中見てみたい…ゴニョゴニョ」
「え?なんですって」
「ミー、ミ~(もういいから、勘弁してあげて)」
「ハイハイ。じゃあ次はなんだっけ」
「えっと、ランプが3つ点滅している。じゃあ真ん中をエイ。そしてスタートをエイ」
「え、あ、あ~」
ジェーンは声をあげながら、いきなり注水が始まった。
勇者の暴走…?
Comments