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魔法の王国コインランド 第二周 その7 魔法の?漂白剤



「えっと、茶番はもういい?それと、リョーさんから何かきいてこなかった?」

 軽口のジェーンが、珍しくマジメに。一応仕事はきっちりやるタイプみたい。少し安心したりして。

「ミ、ミー(あれだ、魔法のアイテム)」

「え、何?痛っ、そうか、あれか。魔法の特製漂白剤」

 勇者はジャンプ頭突きの刺激で、ようやくさっきの会話を思い出したらしい。


「そうですね。特製というかこの王国の技術でつくられた酸素系漂白剤で、除菌や殺菌、また消臭にも効果があります。気になる洗濯物があれば是非お使いください」

「使う時は、動き始めてから、ワタシの頭の上をパカッと開けて入れるのよ」

「パカッと、ですか」

 勇者の背中を駆け上って見てみると、確かにジェーンの頭の上に、パカッと開きそうな部分が見えた。これは、一度動いて水が入ったタイミングで入れる仕組みみたい。

「なるほど。漂白剤といっても、漂白するだけでなくて、色んな効果があるわけですね」

「そうなの。今回はどうする?」

「ありがとう。でも、今回洗うのは大丈夫なので、このままでお願いします」

「なんだ、せっかくパカッとやって頭の中見せたかったのに」

「確かに、頭の中見てみたい…ゴニョゴニョ」

「え?なんですって」

「ミー、ミ~(もういいから、勘弁してあげて)」


「ハイハイ。じゃあ次はなんだっけ」

「えっと、ランプが3つ点滅している。じゃあ真ん中をエイ。そしてスタートをエイ」

「え、あ、あ~」

 ジェーンは声をあげながら、いきなり注水が始まった。

 勇者の暴走…?

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