魔法の王国コインランド 第二周 その5 金庫番のリョーさん?(2)
- 麻呂明弘
- 2021年5月24日
- 読了時間: 2分

「ハッハッハ。こちらこそ。金庫番をやってると、皆さんとちょっと距離がある感じになるので。いわゆるリョーさん風でお出迎えするお約束なんです」
その、リョーさん風が、おそらく伝説の警察官じゃないかと思ったけど、こっちにもあるの…?
「そうですか。ドッキリ風ってことですね。柄に無くマジメに突っ込んでしまってお恥ずかしい」
「ミ、ミ~~(いや、いつもの方がお恥ずかしいから)」
「では、千円札を100円10枚でお願いします」
勇者は、言いながらリョーさんの投入口に紙幣を入れる。そして光るボタンを押すと、下の開口部からジャラジャラとコインが出てきた。そう、まんま両替機ね。
「いや~、スッキリした。ハッハッハ。すいません、なんとなく」
勇者はそれを聞いて、なんとなくバッチイものかとビクビクしながら、コインを取り出している。
「もう、お願いしますよ。リョーさん」
勇者的には、こんなノリはウェルカムなんだろうけど、どうやら一枚上手な感じね。
「そうそう、実はワタシ、魔法のアイテムも扱っているんですよ。いかがですか」
「な、なんですと、魔法のアイテム?」
「ミ~(ちょっと気になる)」
「これから洗濯される場合は、特製のヒョーハクザイがオススメです」
「あ、漂白剤ですか。実はちょっと苦い経験がありまして」
「そうですか。これは特製なんですが、ホワイトさんにお聞きになってから、ご興味があれば」
「わかりました。その横に別のものもありそうですが」
勇者は、リョーさんの投入口の横の表示を見ながら訊いている。
「そうなんです。乾燥をされる場合は特製のソフターがオススメなんです」
「なるほど。特製の魔法アイテム…はちょっとそそられます」
「これも、王子様か、両陛下にお聞き頂ければよろしいかと思います」
「わかりました。今は謎の魔法アイテムということで、楽しみです。いろいろありがとうございます」
一応礼儀正しくおじぎをしてから、勇者はジェーンをあまり待たせないよう、急ぎ足で来た道を戻る。

























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