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魔法の王国コインランド 第二周 その5 金庫番のリョーさん?(2)


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「ハッハッハ。こちらこそ。金庫番をやってると、皆さんとちょっと距離がある感じになるので。いわゆるリョーさん風でお出迎えするお約束なんです」

 その、リョーさん風が、おそらく伝説の警察官じゃないかと思ったけど、こっちにもあるの…?

「そうですか。ドッキリ風ってことですね。柄に無くマジメに突っ込んでしまってお恥ずかしい」

「ミ、ミ~~(いや、いつもの方がお恥ずかしいから)」


「では、千円札を100円10枚でお願いします」

 勇者は、言いながらリョーさんの投入口に紙幣を入れる。そして光るボタンを押すと、下の開口部からジャラジャラとコインが出てきた。そう、まんま両替機ね。

「いや~、スッキリした。ハッハッハ。すいません、なんとなく」

 勇者はそれを聞いて、なんとなくバッチイものかとビクビクしながら、コインを取り出している。

「もう、お願いしますよ。リョーさん」

 勇者的には、こんなノリはウェルカムなんだろうけど、どうやら一枚上手な感じね。


「そうそう、実はワタシ、魔法のアイテムも扱っているんですよ。いかがですか」

「な、なんですと、魔法のアイテム?」

「ミ~(ちょっと気になる)」

「これから洗濯される場合は、特製のヒョーハクザイがオススメです」

「あ、漂白剤ですか。実はちょっと苦い経験がありまして」

「そうですか。これは特製なんですが、ホワイトさんにお聞きになってから、ご興味があれば」

「わかりました。その横に別のものもありそうですが」

 勇者は、リョーさんの投入口の横の表示を見ながら訊いている。

「そうなんです。乾燥をされる場合は特製のソフターがオススメなんです」

「なるほど。特製の魔法アイテム…はちょっとそそられます」

「これも、王子様か、両陛下にお聞き頂ければよろしいかと思います」

「わかりました。今は謎の魔法アイテムということで、楽しみです。いろいろありがとうございます」

 一応礼儀正しくおじぎをしてから、勇者はジェーンをあまり待たせないよう、急ぎ足で来た道を戻る。

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