魔法の王国コインランド 第二周 その5 金庫番のリョーさん?(1)
- 麻呂明弘
- 2021年5月20日
- 読了時間: 2分

前回王子のところへ行く前にあった小道をしばらく進むと…。
「お~い、こっち、こっち。スコッチ、少っち。ガッハッハ…」
前の方から豪快な笑い声が聞こえてくる。小道の突き当りまで来ると、上が青、下が白に色分けされた機械っぽい姿が見えてきた。
「勇者様とタスカル君だろ。聞いてる聞いてる。少っち聞いてる。ガッハッハ」
同じギャグを引っ張りながら笑っている豪快さ。確かに人を食ってる…?
「小銭に替えるんだろ。あ、オレはリョー・ガエキ。お堅い金庫番。リョーさんでいいから。ガッハッハ」
「キャイーン、なんで~」
何がおかしい、どこがお堅い、と突っ込みたい衝動を抑えがたく、ついつい勇者の後ろに回ってジャンプ頭突きをかましていた。
「おいおい、いきなりハグか。照れるじゃねえか。ガッハッハ」
「す、すいません。もう、タスカル君」
衝撃でリョーさんに抱きついた勇者は、慌てて飛びのきワタシを睨んでいる。
「ミ~(少っちごめんなさい)」
「ガッハッハ。タスカル君、結構なお点前で。いや、気にいった。いつもより余計に小銭奮発しちゃおうかな」
「もう、お堅い金庫番がいいんですか」
勇者が逆にお堅く見えるとは…ちょっと心配になりかけたけど。
「どうですか、少しは気分もほぐれましたかな」
「ミ~(急に紳士?)」
「あ、いや。すいません、タスカル君が失礼なことばかり」
勇者は、例のごとくジャンプ頭突きを警戒し、両手でお尻を押さえている。仕方ない、泳がすか。

























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