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魔法の王国コインランド 第二周 その5 金庫番のリョーさん?(1)


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 前回王子のところへ行く前にあった小道をしばらく進むと…。

「お~い、こっち、こっち。スコッチ、少っち。ガッハッハ…」

 前の方から豪快な笑い声が聞こえてくる。小道の突き当りまで来ると、上が青、下が白に色分けされた機械っぽい姿が見えてきた。

「勇者様とタスカル君だろ。聞いてる聞いてる。少っち聞いてる。ガッハッハ」

 同じギャグを引っ張りながら笑っている豪快さ。確かに人を食ってる…?


「小銭に替えるんだろ。あ、オレはリョー・ガエキ。お堅い金庫番。リョーさんでいいから。ガッハッハ」

「キャイーン、なんで~」

 何がおかしい、どこがお堅い、と突っ込みたい衝動を抑えがたく、ついつい勇者の後ろに回ってジャンプ頭突きをかましていた。

「おいおい、いきなりハグか。照れるじゃねえか。ガッハッハ」

「す、すいません。もう、タスカル君」

 衝撃でリョーさんに抱きついた勇者は、慌てて飛びのきワタシを睨んでいる。

「ミ~(少っちごめんなさい)」

「ガッハッハ。タスカル君、結構なお点前で。いや、気にいった。いつもより余計に小銭奮発しちゃおうかな」

「もう、お堅い金庫番がいいんですか」

 勇者が逆にお堅く見えるとは…ちょっと心配になりかけたけど。


「どうですか、少しは気分もほぐれましたかな」

「ミ~(急に紳士?)」

「あ、いや。すいません、タスカル君が失礼なことばかり」

 勇者は、例のごとくジャンプ頭突きを警戒し、両手でお尻を押さえている。仕方ない、泳がすか。

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