魔法の王国コインランド 第二周 その2 ホワイト兄妹の洗濯(1)
- 麻呂明弘
- 2021年5月11日
- 読了時間: 2分

洗濯物の上で揺られ、うっかりウトウトしているうちに、車は王国の駐車場に到着した。
まだ時間が早いせいか、王国は前回のような光に包まれた感じではない。門番?の自販機ホットさんもギラギラした感じではなく、なんだか穏やかそうに迎えてくれた。
てゆーか。ワタシ、なじみ過ぎ?
「今日は誰か来ているみたいだ」
今回はさっさと先に降りた勇者が、近くに止まっている他の車を見ていた。
この前はマシロさんが来ていたし、勇者は謎の王国と言ってビビッていたが、どうやら他の人には知られた存在なのかも。
「おや、お久しぶりですね」
「ホットさん、こんにちは」
「ミ~(こんにちは)」
「えっと、今日はそんなに量が多くないからな」
相変わらずホットさんはちょっと苦手な感じで、軽く挨拶をして王国に入った勇者は、常連のようにつぶやくと左の方へ。今回はホワイト兄妹に洗濯をお願いするようね。おっと、急がないと。
「先客がいるみたいだ」
洗濯魔法使いホワイト兄妹の前で立ち止まった勇者。その足元から見上げると、兄のジョンがすごい勢いでお腹のドラムを回している。この前はトロトロ居眠り中だったのに、ずいぶんな変わりよう。
「あの~、これって大丈夫なんですか?」
その激しさにビビリ気味の勇者は、隣でヒマそうにしている妹のジェーンに心配して話しかけた。
「あら、この前の勇者様?だったっけ?お久しぶり。フフッ、そうね。今は脱水中だから、一番激しいかも」
「そうか脱水。でも、脱プンというかお腹の中のもの全部出ちゃったりしません?」
「うける~。そう、たまに」
「やっぱり。すぐ止めないと」
「ミ、ミ~(アホか。冗談だっちゅうの)」
なんか3人組のツッコミ漫才風に息が合ってきた。

























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