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魔法の王国コインランド 第一周 その16 グリーンコーナー(2)



「このカップさんは、日頃忙しくしている人が、このグリーンコーナーで待つ時に、ホッと一息つけるように、いろんな飲み物を調理して出してくれるんだ」

 確かに、洗濯や乾燥を待っている間こそ、せっかくのホッと一息つける時間。カウンターで飲み物を飲んで身体を休めるのも大事な仕事なのかも。


「そういえば小腹空いたんじゃない?」

「え、小腹?」

 アライグマの耳はピッと反応している。勇者を見ると、カップさんの前で何にしようと腕組みしていたが、何っという感じで振り向いた。

「もう、すごい反応。はは。門のところのホットさんは、スープもあるよ。オニオンスープがお気に入りの人も多いみたい。寒い季節の限定だけど」

「そうだったのか~。あの人ってホットさん。ちょっと絡みづらくてよく見てなかった。急いでいかなきゃ。カップさんまた今度」

「ミ、ミ~(そうだ、そうだあ)」

「それは大変だ。はは。続きはまた今度。で、ここが出口。スナフキンさん、こんにちは」

 バケツ君が挨拶した先をみると、小鳥と話している有名なスナフキンが見えた。

「う~ん、これはなんとなく有名過ぎて、大人の事情でまずい感じがする。とりあえず会釈だけっと」

 何かわからないものに気をつかいながら、勇者はバケツ君を振り返った。

「バケツ君。助かりました。またこの王国について教えてください」

「ミ~(ありがとう)」

 妖精バケツ君は、ニコッと笑い、またヨチヨチ歩きで、グリーンコーナーの奥に戻っていった。


「ミ~(さっさといかんか~い)」

 勇者の防御をかいくぐって尻にジャンプ頭突きを連続でかましながら、一目散にホットさんのもとに急いだ。

「ジ、エンド~」

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