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魔法の王国コインランド 第一周 その2 いざ謎の王国へ


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「…ミー!(…車に乗ってる!)」

 石造りの建物から出て、馬車でしょ、と思ったら。なんと自動車!

 それにしても、ピョンと座席に跳び乗ったあのジャンプ力。動いているものに反応し、ジッと見ることができず挙動不審なこの身体。…なんでワタシがアライグマなの~。

「とにかく、このジョーエツ市ときたら、魔王アクテンコーの呪いで一年中どんよりだろ。しかも毎年きまって右腕のフユ将軍が、さんざんな目にあわせてくれる」

「ミー?ミ~~…(上越市?どこかで聞いたような話…)」

「タスカル君も、そうだろ。珍しく晴れたと思って洗濯しても、終わるころには、もうどんより。いつまでたっても乾きやしない」

「ミー…(なるほど…)」

「これから行くのは、霊峰ミョーコー山を頂くミョーコー市との境にある謎の王国。住人たちは、みな奇妙な姿恰好をしていて、そのほとんどが謎の魔法を使える、らしい。どう、怖いっしょ」

「ミ~…ミ、ミー?(やっぱりコワいんかい…で、妙高市?)」

 窓の外の建物は、やっぱり中世っぽい感じの石造りが多い。ただ、なんとなく見慣れた感じにも見えるのが不思議だった。


「おや、タスカル君。あそこみたいだ。なんだか怪しい」

「ミー!(近っ!)」

 どこまで連れていかれるのかと、ちょっと心配する間もないたった5分。薄暮のなかにひときわ目立つ光を放っている、それでいてなんとなく見慣れた感じの建物が見えてきた。

 駐車スペースを示す青いP看板を目当てに駐車場に入ると、王国前に7台ほどのスペースがあった。

 てか、これが王国?それで駐車場?王国なのに駐車スペース7台?

 もう、どこから何をどう突っ込んでいいのかも分からない。

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