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魔法の王国コインランド 第一周 その12 乾燥の舞い(3)


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「それでは、大切なことをお伝えします。それは、古から伝わる王族の戒めに関わることなんです」

 それまで温和な感じの王妃様が、急にかしこまってお話を始めた。まとめると、乾燥できないものが、このドライヤ王家に代々言い伝えられているようだった。

 まず、綿や羊毛が偏る可能性のある和布団や羊毛布団、またキルティングしていない綿入りのもの。

 次に、ぬいぐるみ、ウール製品、など。

 そして、油汚れのひどいもの、のりづけしたもの、ウレタンカーペット、脱水していないもの。

 最後に、カーテンやナイロンまたアクリル製品。これらは縮みの原因となるとのこと。


「王妃様、感激です。こんな初めて会う私たちに、王族の戒めまで隠さずにお話し頂けるなんて。その器の大きさ、あらためて感動いたしました」

「ミ~、ミ?(その通りなんだけど、大袈裟?)」

「そうですね。ちょっと堅苦し過ぎましたね。では勇者様、この舞い、最初から見ていて何か気づきませんか」

「ミ~、ミ~~、ミ~~(そう言えば、だんだんほぐれている感じが、王子様のクルクルよりよくわかる)」

「もう、タスカル君、勝手に答えないで」

「そうです。その通りです」

「やっぱり。もうタスカル君、先に答えて、ずるい、ずるい」

 このメンタル一体なに?

「ミ~、ミ~~、ミ~(マシロさんは、いくつかに分けドサッと入れただけで、特にほぐしていなかった)」

「そうなんです」

「ミ~~~。ミ~~~~~、ミ~~~」(まとめて洗うとどうしても洗濯物が絡まります。それを一枚一枚ほぐしながらハンガーにかけて干していくので、かなり時間がかかるんです)」

「タスカルく~ん。セミになってるよ~」

 確かに、ちょっと興奮してしまったかも。王子様のところでなんとなくわかっていたけど、こうして実際に意識して見てみると、実感としてよりわかる。

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