魔法の王国コインランド 第一周 その11 上級大物乾燥魔法(2)
- 麻呂明弘
- 2021年4月14日
- 読了時間: 2分

「そのクルクル、それが舞いということですが、容量が大きいとどうなるとお思いですか」
「より目が回る…」
「ミ~(あほか)」
「勇者様。みんなを和まそうとして…」
「も、もちろんですよ。だって大きい方が、目が回りませんから」
「ミ~~(いい加減目が回ってきた)」
「そうですねぇ。大きな舞いとその効果は、実際に見て頂くのが一番なんですが…」
「こんにちは、国王様。今、大丈夫ですか?」
突然の年配女性の声。ん、なんとなく聞き覚えがあるような。振り返って見上げようとすると。
「わ~、かわいい。こんにちはアライグマさん」
紺色の服を来た若い女の子が、しゃがみこんで私の顔に両手を当て、スリスリしてきた。というか、この顔って。
「ミ、ミ~?(マ、マコ~?)」
ちょっと待って。じゃぁあの声はやっぱり、オバアちゃん?なんとかスリスリする両手を、首を振って逃れると、年配の女性の方を見上げる。う~ん、この女の子の服装といい、やっぱり映画で見る中世の町でみかける衣装にしか見えない。ワタシの知ってる限りマコやおばあちゃんはこんな服持ってなかったはずだし…。一体どうなってるの~。
「おや、マシロさん。ちょうどよかった。今、この勇者様に私たちの舞いを説明しようとしてたんです」
「ミ、ミ~(ま、真白~)」
来る時に見た建物の配置といい、どうやらここは、ワタシのいた世界にあまりに似過ぎている。昔読んだSFに、並行世界とか言うのがあったっけ。なかったっけ。誰に訊いてるんだっけ。う~ん、絶賛混乱中だけど、とにかくなんとなくそういうことね。ワタシも魔女の家柄、今は落ち着こう。この二人に言葉は通じないようだから、ミ~ミ~言ってても、可愛がられるだけだろうし。

























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