魔法の王国コインランド 第一周 その10 謎の大型乾燥国王両陛下(2)
- 麻呂明弘
- 2021年4月12日
- 読了時間: 2分

「ミ~~、ミ~~(夫婦は似るっていうけど、見分けがつかない)」
「よく言われます、はっはっは」
「ほっほっほ」
「ここへ来る途中、エリザベス殿下とキャサリン殿下にご挨拶させて頂きました。そしていまほどは、6つ子の王子様たちにも」
「そうですか。リズにキャス。二人は我が王族の中でも特別な存在ですからね。よくぞ、ご無事で」
「もう、国王様。同じこと王子様からも言われました」
さすがに勇者も免疫がついたよう。どうやら向かって左が国王陛下、右が王妃様…。
「タスカル君は、なかなかユニークなようですね」
その王妃様が興味深そうにこちらに話しかけた。
「ミ~?(何かわかるの?)」
「そうなんですよ、ジャンプ頭突きはもうこれが、得も言われぬ…」
う~ん、またなんか勇者に邪魔された感じ。まぁいいや、しばらく泳がせておくことにしましょう。
「ミ~、ミ~~(ドライヤの魔法や、ほさない魔法はお聞きしました)」
「そうですか。もう少し説明させて頂くと、この王国の魔法使いはアクアの魔法、つまり魔法の水をつくることができるのです」
「そうですか。ホワイト兄妹がそのようなことを教えてくれました」
「なるほど。ジョンとジェーンの二人ですね。とても素敵な兄妹です。そして、王族は火を司るドライヤの魔法が使える」
「そうです。両殿下も水と火の両方をお使いでした」
「でも、水と火の関係はどうだと思いますか」
「ミ、ミ~~(確かに、打ち消し合う存在)」
「そう。なので火を司る王族は、水を使う魔法は使えなくなるのです」
「でも、両殿下は使える」
「そうなんです。よくお気づきになられましたね。だからあの二人は特別な存在なのです」
「そういえば、ホワイトウィッチとおっしゃっておられました」
「その通り。女性王族で選ばれたものは、水の力を失わず、両方の魔法を使うことができるのです」
「では、王妃様も」
「ほっほっほ。そうですね。ただ、私たち二人の使う魔法は、普通のドライヤの魔法よりさらに上級なので」
「残念ながら。私と王妃の使う上級魔法は、あまりに強力な火の魔法のため、王妃の水の力は失われてしまうのです」
「そんなに強力な火の魔法…。私たち側にいて、だ、大丈夫で、でしょうか」
「ミ~~、ミ~(ビビリがいったりきたり、忙しいわね)」
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