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魔法の王国コインランド 第一周 その10 謎の大型乾燥国王両陛下(2)



「ミ~~、ミ~~(夫婦は似るっていうけど、見分けがつかない)」

「よく言われます、はっはっは」

「ほっほっほ」

「ここへ来る途中、エリザベス殿下とキャサリン殿下にご挨拶させて頂きました。そしていまほどは、6つ子の王子様たちにも」

「そうですか。リズにキャス。二人は我が王族の中でも特別な存在ですからね。よくぞ、ご無事で」

「もう、国王様。同じこと王子様からも言われました」

 さすがに勇者も免疫がついたよう。どうやら向かって左が国王陛下、右が王妃様…。

「タスカル君は、なかなかユニークなようですね」

 その王妃様が興味深そうにこちらに話しかけた。

「ミ~?(何かわかるの?)」

「そうなんですよ、ジャンプ頭突きはもうこれが、得も言われぬ…」

 う~ん、またなんか勇者に邪魔された感じ。まぁいいや、しばらく泳がせておくことにしましょう。


「ミ~、ミ~~(ドライヤの魔法や、ほさない魔法はお聞きしました)」

「そうですか。もう少し説明させて頂くと、この王国の魔法使いはアクアの魔法、つまり魔法の水をつくることができるのです」

「そうですか。ホワイト兄妹がそのようなことを教えてくれました」

「なるほど。ジョンとジェーンの二人ですね。とても素敵な兄妹です。そして、王族は火を司るドライヤの魔法が使える」

「そうです。両殿下も水と火の両方をお使いでした」

「でも、水と火の関係はどうだと思いますか」

「ミ、ミ~~(確かに、打ち消し合う存在)」

「そう。なので火を司る王族は、水を使う魔法は使えなくなるのです」

「でも、両殿下は使える」

「そうなんです。よくお気づきになられましたね。だからあの二人は特別な存在なのです」

「そういえば、ホワイトウィッチとおっしゃっておられました」

「その通り。女性王族で選ばれたものは、水の力を失わず、両方の魔法を使うことができるのです」

「では、王妃様も」

「ほっほっほ。そうですね。ただ、私たち二人の使う魔法は、普通のドライヤの魔法よりさらに上級なので」

「残念ながら。私と王妃の使う上級魔法は、あまりに強力な火の魔法のため、王妃の水の力は失われてしまうのです」

「そんなに強力な火の魔法…。私たち側にいて、だ、大丈夫で、でしょうか」

「ミ~~、ミ~(ビビリがいったりきたり、忙しいわね)」

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