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魔法の王国コインランド 第一周 その9 ほさない魔法(1)



「ミ~~~?(王子様って魔法使いなの?)」

 収拾つかない感じなので、待ちきれずに聞いてみた。きっと言葉もわかるはずだから。

「そう、ドライヤの魔法が使えるよ」

 忙しそうなイッピ王子にかわり、その下のフツカ王子が答えてくれた。

「やっぱりそうなんですか。エリザベス殿下とキャサリン殿下がおっしゃっていました」

 上からと思いきや、腰の高さから声がして、あたふたしながらも、腰をかがめながらきちんと応対している。勇者も少しは礼儀をわきまえているようね。


「え~っ、おばさんたちに会ったんだ。良く無事だったね」

「そうそう、洗われて回されて炙られて、おいしそうになったりして」

「いっただきま~す。きゃはは」

「ミ~、ミ~~(あぁもう、話が進まんこの兄弟)」

 ただ、こうやって一緒にいると、温かい気分になる。これはこの兄弟たちが発するとてつもない熱量が関係しているのかも。

「あのぉ、そんなにやばかったんですか、私たち」

 勇者はすっかり信じている。そういう素直な感じ嫌いじゃないけど。


「お~い、やっぱりボクが説明する。ちょうど終わったから」

 ようやくイッピ王子が話をしてくれるみたい。いやもう、なにがなんだか。

「ミ~~~(ドライヤの魔法は途中まで聞きました)」

「そうですか。ボクたちが使う『ほさない魔法』は、10分100円で洗濯物を乾かします。だいたい30分~40分ですっかり乾いてくれるみたいです」

「ほぉ~」

「ちょっとこのお腹のガラス部分を触ってみてください」

「では失礼して。お~、あったかい。てゆーか、あつっ」

 なんとなく、兄弟たちのニヤニヤが伝わってくる。きっとイッピ王子のいつものイタズラなのね。

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