魔法の王国コインランド 第一周 その8 謎の乾燥王子(2)
- 麻呂明弘
- 2021年4月5日
- 読了時間: 2分

「驚かせたみたいで、ごめんなさい。みんなも、ほら」
「ゴメン」
「メンゴ」
「ソーリー」
「ひげソーリー」
「ジョリジョーリーじゃんじゃん」
「ミ~(小学生か)」
「そうなんです。まだこどもですいません」
相変わらず上下左右から声が重なり合っているけど、それなりにまとまりも。
どうやら、最初に声をかけた左上の子?が、まとめ役?になってくれてる感じ。
「もう、そんな、大丈夫だよ。僕は勇者テンチョー。そしてタスカル君。で、君たちは?」
勇者は、こどもと聞いて急に持ち直したようだ。どうなの、それ。
「ぼくたちは、6つ子。ドライヤ王国の王子です」
「お、王子ぃ。とゆーと、あの王子」
「ミー(あのって、何)」
「あのが何かは分かりませんが、両親はドライヤ国王のアーサーとアンです」
「国王の息子さん…」
「ミ~~~(だから王子だってゆうとるやないの)」
勇者は混乱の極み。なるほど、6つ子ということは、一人ずつ肩車している感じ。ただ2人は一体化している。これがキャスの言っていた、面白いものね。たぶん。
「ぼくは長男のイッピで、下がフツカ、真ん中の上がミッカ、その下がヨッカ、右上がイツカで…」
「ボクが末っ子のムイカじゃんじゃん」
かぶせるように右下から声が聞こえた。
「すいません。自分で終わりってことで、じゃんじゃん言いたがりなんです」
「大丈夫でございます。もっとじゃんじゃん、おっしゃってください」
あ~あ、やっぱりオヤジギャグで返しちゃった。じゃんじゃん。

























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