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魔法の王国コインランド 第一周 その7 おまかせ魔法(1)


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「なるほど。洗濯物を直接炙ったら燃えますね。フフフ。勇者様おもしろいです。でも、火は空気を温めるのに使うんです」

「そうよ、火を使って熱風を巻き起こし、それで洗濯物を一気に乾かしてしまうのよ」

 リズは、どうしても最後は自分が決めたかったらしく、かぶせ気味に口を挟んできた。

 そう、確かに聞いたことがある。業務用の乾燥機は電気ではなくガスを使うって。確かにガスなら火を使って乾燥している。そういうことかも。

「そうなんですね。そうか。そういうことか。それが魔王アクテンコーに対する強力な魔法…」

「さすが、勇者様。私たちドライヤ王家は魔王に対しては少々腕に覚えがあるんです」

「そうね。でも、ドライヤを語るのはまだ早いわね。実際は兄に会ってもらわないと。でしょ、キャス」

「確かに、これは姉さんが正しい。勇者様、ドライヤについてはまた後ほど」

「エ~、なんかもったいぶってるぅ~」

「ミ、ミ~(おい勇者、腰振るな)」

「まぁまぁ。確かに上級魔法は火を司りますが、私たちだけにしかできない魔法もあるんですよ」

「そう、女性王族だけに許された『おまかせ魔法』ね」

「お、おまかせですか。大好きな言葉です」

「ミ~(勇者~)」


「さすが勇者様。いつも、おまかせあれ、とか言っておられるのでしょう」

「いや、もう。さすが王族の方、位も高く、お目も高い。はっはっはっはぁ」

 ここは言わせておこう。どうみてもお二人は、おまかせします専門だって見抜いているようだし。

「ミ、ミー?(で、実際は?)」

「そうコンビネーションですね。エコエコ魔法とドライヤの魔法。ジェーンたちのように20分で洗った洗濯物をそのまま火の熱風乾燥で一気に乾かしてしまう。約一時間、干す手間要らずに」

「最初から最後までまかせなさい。そんな感じね」

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