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魔法の王国コインランド 第一周 その6 謎の全自動洗濯乾燥白魔女(2)


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「フフフ。そこまでではありませんが。他にも毛布とか大きなもの、いわゆる大物も洗えますよ」

 ホワイト兄妹のまとめ洗いだけでも十分なのに、その倍の量も。家族が多いときなんかは、ホワイト兄妹のサイズでもちょっと厳しいと思ってたけど。さすがにこれなら大丈夫。

 それに、びっくりなのは、量が増えても洗濯時間は変わらないってとこ。家族何日分の洗濯が20分で終るって。何回も洗濯機回してたおかあさんに教えたい、もう。

 そして、やっぱり大物も洗える。家の洗濯機ではそもそも洗おうという気にもならないし。普通はクリーニングに出すんだけど、ちょっとお高いから敷居も高い。なるほど。

 ついつい、感心でボーっとしていたが、その間に勇者は果敢に突撃中…。


「ホ~。だから上級魔法なんですね」

「あなた、私たちをおなめになっていらっしゃいませんこと」

「もう、お姉さま。勇者様がちょっとブルっとされましたわよ」

「な、なにか失礼なことをぶっこきましたでしょうか」

「ミー(ビビリすぎや)」

「そうですね。失礼かもしれませんね。なにしろ私たちはドライヤ王家の者。ドライヤは火を司るという意味です。それを知らずにいらっしゃるとは」

 なんとなく、ゴゴゴという効果音が聞こえそうな迫力で、勇者が追い込まれてる。ガンバレ勇者~。


「フフフフ。冗談ですよ。でも、火を司るというのは本当です。私たちは洗った洗濯物を、干さずに乾かすことができるのです」

「ミ~~(それは乾燥機ということですね)」

「タスカル君。失礼なことを言ったりしてないよね」

「フフ。その通りですよ。さすがタスカル君」

 ん、その言い方、なんとなくワタシのことを…

「もう。よかった。さすが相棒。で、どういうことでしょうか。干さなくても洗濯物が乾くんですか。火を使うって、燃えてしまわないんですか」

 確かにそう。トンチンカンなことを言ってるようで結構鋭い。家庭用の乾燥機って電気だから燃えるとかそういう感じじゃない。でも、今、火を使うっていうんだから、燃える?

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