魔法の王国コインランド 第四周 その14 王子たちへの挨拶?
- 麻呂明弘
- 2021年9月9日
- 読了時間: 2分

「とにかく、勇者様は覚醒されたみたいだよね」
「そうそう。もうタスカル君もすっかり常連モードでバッチリじゃんじゃん」
「もう、やっぱりわかります~?最初から勇者だったんですけど」
ムイカ王子から取り出した洗濯物も無事畳み終えた勇者が口を挟んできた。これもちょっとモヤモヤする展開だけど…。
「でも、タスカル君。楽しかった。また遊びに来てね」
「そうそう。じゃあ、せ~の…まったね~」
「ミ~(こちらこそ。まったね~)」
王子たちは初めて声を揃えての挨拶。この6重奏でモヤモヤがちょっとスッキリした感じ。
「王子様たち。色々ありがとう」
勇者は軽く会釈をすると、重めの洗濯物の袋を担いで出口に向かった。
見ると、王子たちの挨拶を待っていたように、次の住人の方が王子たちに乾燥をお願いしていた。最近はやっぱりお忙しい感じね。
「勇者様、終わられたようですね」
「国王陛下、王妃様。おかげさまで王子さまたちにお願いして、30分ですっかり終わりました」
「ミ~(時短ワザがヤバイです)」
「そうですか。それはよかったです。最近はちょっと忙しくなっていまして」
「そうなんです。マシロのおばあさまが、踊りとか旅とかイキイキされているのを見て、周りの住人の方たちもなんだか影響されているみたいで」
「そうですね。確かに助かるっておっしゃっていました。そうですか。確かに最初の頃からずいぶんと住人の方を見かけるようになりました」
「お聞きすると、時間を気にしないで自分のペースで洗濯ができるというのが良いみたいですね」
「そういえば、そうですね。天候も、時間も気にしないでいいんですから。アレ、なんか忘れてた?」
「ミ~~?(この展開でようやく思い出した?)」
「そう言えば、最初いらした頃、魔王のお話をされていたようでしたが」
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