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魔法の王国コインランド 第四周 その13 王子たちとのご歓談?


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「勇者様はだいぶ勇者様って感じなんだけど、タスカル君もすっかりボクたちの王国の常連だね」

 洗濯物を取りだされたばかりで、あったかい空気をまといながらヨッカ王子が話しかけてきた。

「ミ、ミ~、ミ~~…(そうそう、いつの間にか何回か来て、バケツ君や賢者様にもいろいろ教えてもらって…)」

「ドライヤの魔法に、ほさない魔法とか、もうバッチリでしょ」

「そうそう、バッチリ、ムッチリ」

「もう、イツカ。ちょっと失礼かな。でも、一回り大きくなられた感じですね」

「ミ~(へ~、ちょっとうれしいかも)」

 何かをちゃんと食べた記憶はあまりないけど、不安でいっぱいだった初めの頃よりずいぶん気持ちがゆったりしてきたことは確か。機械に囲まれてると普通はちょっと緊張するけど、この王国はやっぱり違うのかも。


「ピー」

「おっと、畳んでいるうちに次のムイカ王子も終わった。グッタイミン」

 調子に乗った勇者の軽口も、今はなぜか気にならない。

 ふと気になって王妃様の方を見ると、マシロさんとマコさんは、終わった布団などを取り出している。そして、こちらに軽く会釈すると、出口の方へ歩いて行った。もう少しなんか話ができるとよかったんだけど、ちょっとモヤモヤする…。


「タスカル君は、ムッチリなんだって?」

「いやいや、モッチリでしょう」

「エ~。モッチリって、どんな感じ?」

「そりゃあモチモチのモチ肌…」

「いやいや、とゆーか。こらこら、それは…」

「そうそう、それはちょっと。アレで…」

「ミ?ミ~?(え?どうしたの?)」

 なんだか知らないが、王子たちが急にモジモジし始めた。えっと、モッチリがモチ肌とか…。

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